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76歳になっても闘い続ける“ロックの英雄”スプリングスティーンとは? 新曲発表で再注目 若き日の“苦悩”描いた映画に感銘

76歳になっても闘い続ける“ロックの英雄”スプリングスティーンとは? 新曲発表で再注目 若き日の“苦悩”描いた映画に感銘

ジェレミー・アレン・ホワイトが演じるスプリングスティーン(「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」ディズニープラス にて独占配信中)
ジェレミー・アレン・ホワイトが演じるスプリングスティーン(「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」ディズニープラス にて独占配信中) / (C)2026 20th Century Studios

2025年11月に劇場公開された「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」が、2月27日に配信された。本作はアメリカのロック界を代表し、“ザ・ボス”の愛称で知られるブルース・スプリングスティーンの若き頃を描いた作品で、スプリングスティーン役をドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」シリーズでも知られるジェレミー・アレン・ホワイトが演じている。2025年にはスプリングスティーンの初来日公演40周年を記念して「ボーン・イン・ザ・U.S.A.(40周年記念ジャパン・エディション)」が発売、2026年1月には新曲「ストリーツ・オブ・ミネアポリス」を発表するなど、今もなお世界中で愛され続けている彼の魅力をあらためて紹介する。(以下、ネタバレを含みます)

■“ブレーク前夜”スプリングスティーンの苦悩

スプリングスティーンは1949年9月23日生まれ、現在76歳。劇中では、レコードデビュー10年目の彼が、初の全米トップ10入りしたシングル「ハングリー・ハート」や全米アルバムチャートで初の1位を獲得した5枚目のアルバム『ザ・リバー』の影響もあって、各メディアからの注目度が一気に高まり、いよいよブレーク間近といった時期の苦悩や葛藤が描かれている。

スプリングスティーンの代表曲ともいえる「ボーン・イン・ザ・U.S.A」といえば、1980年代の音楽史に刻まれる屈指の名曲として今でも語り継がれており、1984年6月4日のリリース以降、アルバム『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』が全米チャートで84週連続トップ10入りという、マイケル・ジャクソンの『スリラー』に並ぶ驚異的なロングセラーを達成。拳を突き上げてシャウトするように歌う彼のパフォーマンスは、本作の中でもジェレミー扮(ふん)するスプリングスティーンがロックに体現しており、スタジオやライブハウスでの歌唱シーンは魂を揺さぶられるものがある。

「ロックの英雄」とも称され、絶大な人気を誇るスプリングスティーンだが、大スターになっても誠実さや人間性を見失わずに音楽と向き合う姿勢も大きな魅力。本作のメインストーリーといっても過言ではない、アルバム『ネブラスカ』の制作過程でも丁寧に描かれていたように、父親との確執や自身の過去のトラウマとの対峙(たいじ)が楽曲に反映されている。

6枚目のアルバム『ネブラスカ』は、前作の『ザ・リバー』の大成功により勢いに乗り始めていたが、一度立ち止まって自らの葛藤に向き合い、スタジオではなく宅録スタイルで録音したデモテープをそのまま作品化。スプリングスティーンのキャリアの中でも最も異色で、最も内省的なアルバムとして知られる。

また、同アルバムのタイトル曲でもある「ネブラスカ」は、アメリカ中西部の州名であり1958年に同州で起きた若いカップルの無差別連続殺人事件がモチーフになっているということもあり、リリース当時は問題作とも言われ、社会的に大きな話題となった。

■社会問題から目を逸らさず向き合う姿勢は今も変わらず

一方、同アルバムがリリースされた1980年代初期のアメリカの政治は大きく変化し、政策によって弱者が排除されていく時代となっていた。楽曲内に登場する人物像の共通点は、社会から孤立してしまった人々、そして彼らと同じく労働階級の家庭で生まれ育った自分といったアメリカの片隅で生きる人たちで、スプリングスティーンは音楽を通して彼らを可視化している。

多くは語らないものの、同映画ではきらびやかな世界とは対照的に鬱屈(うっくつ)とした日々を過ごしながら自身と向き合ったり、かつて恐れていた父親とも再会したりしながら、アルバム制作を進めていく姿が映し出されている。

映画自体は若き日のスプリングスティーンの人生を描いたものとなっているが、彼はその後グラミー賞をはじめ、幾度となく名だたる賞を受賞し、全世界トータルアルバムセールスは1億4000万枚を突破。1999年には、ロック音楽の発展に貢献したアーティストら著名人が選出される「ロックの殿堂」入りを果たしたレジェンドだ。2023年にはEストリート・バンドと共にワールドツアーを開催し、衰えを知らないロック魂で世界中のファンをうならせたことも記憶に新しい。

2026年1月にはミネアポリスの街で行われている国家による暴力的な弾圧への抗議を歌った新曲「ストリーツ・オブ・ミネアポリス」を発表するなど、アメリカの社会問題に変わらず正面から向き合う姿勢を表明し続けている。

暗い話題が多い現代社会と闘い続けるロックスターの若き苦悩を描いた「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」(ディズニープラスにて独占配信中)を視聴し、社会を見つめ直す機会を得てみるのも良いかもしれない。

◆文=suzuki

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