面接では見えにくい傾向をどう捉えるか
自己申告型の適性検査は、本人の認知や「よく見せたい」という意識に影響を受けやすい。永尾氏はその点を踏まえ、ETOGRAMでは生年月日という改ざんしにくい情報を起点に、5万件超のデータから抽出した人物パターンと照合し、意思決定、対人距離、ストレス反応などの傾向を推定すると説明する。
さらにAIを用いて、面接時の深掘り観点、配属後の注意点、避けた方がよい伝え方、動機づけにつながりやすい言葉など、現場で使いやすい表現に変換して提示する仕組みだという。面談の場では見えにくい「本音の出方」を、実務に生かせる形に落とし込むことを狙う。抽出データについては、50件以上の職業や特定の行動様式を持つ人物を、1000人以上の集団で集め、統計的な有意差をもとに人物像を想定しているとしている。
離職や不祥事の兆候を事前に捉えられるか
離職やコンプライアンス違反は突然起きるように見えても、実際には「兆候」「放置」「爆発」という流れをたどることが多いと永尾氏は指摘する。ETOGRAMでは、疲労やプレッシャーが高まったときに現れやすい行動と、その引き金になりやすい状況を事前に整理する。
これをもとに、オンボーディング時のチェック項目、月次1on1で確認すべきサイン、配置換えや権限付与の際の注意点、指導時の言い回しなどを運用に組み込むことで、問題が表面化する前に手を打てる状態を目指すという。特に、どのような仕草、身だしなみ、言葉遣い、態度に兆候が表れやすいかも推測し、上司が日常のコミュニケーションの中で気付きやすいポイントとして示す考えだ。リモートワークの広がりで、従来以上にコミュニケーションが希薄になっている現状も、需要を後押しする要因とみている。


