FIAは、F1開幕戦オーストラリアGPのストレートモード区間をひとつ削減することを発表した。グランプリ初日の金曜夜に行なわれたドライバーブリーフィングにおいて、ドライバーたちからの懸念が挙がったためだという。
2026年のF1ではアクティブエアロが導入され、ストレート区間では空気抵抗が少なく、コーナー区間ではダウンフォースが多くなるように、空力設定を変更できる。これは、ストレート走行中に少しでも空気抵抗を減らして、電気エネルギーの使用量を抑えることが目的である。
このストレートモードを使うことができる区間はサーキットごとに複数箇所設定されることになっていて、開幕戦の舞台アルバートパーク・サーキットでは、5箇所がストレートモードとなっていた。しかしターン8〜9の間に設定されたストレートモード区間については、ドライバーたちからマシンのバランス変化による不安定さに関する懸念が寄せられた。
金曜日夜に行なわれたドライバーズブリーフィングで一部のドライバーは、当該の箇所でストレートモードを作動させると、ダウンフォースが低すぎるために、特に車両が連なっている時のターン9への進入で、コントロールを失う可能性があるとコメントした。
この発言を受けてFIAがデータを分析した結果、FP3以降はこのターン8〜9にかけて設定されたストレートモード区間4を削除することを決定した。
「ほとんどのサーキットでは、ストレートモード区間はかなり単純で、直線のエリアに設けられる」
FIAのシングルシーター担当ディレクターのニコラス・トンバジスはそう説明した。
「しかし年間で3つか4つのサーキットは、かなりカーブした区間も含まれる。メルボルンは、残念ながらそのひとつであり、ターン8と9の間の4番目のストレートモード区間でそれが起きてしまう」
「昨日、ドライバーたちとのミーティングを行なったところ、そのエリアではダウンフォースが低すぎるという懸念が一部のドライバーたちから寄せられた。特に他のマシンとポジション争いをしている場合には、マシンのコントロールを失うリスクが感じられたという」
「我々にとってはもちろん、安全が最優先事項だ。分析の結果安全を第一に考え、メルボルンではFP3からは4番目のストレートモード区間を撤廃することを決めた。もちろん、予選も同様だ」
なおダウンフォース不足に陥っているのは全てのマシンというわけではないようだ。ただ複数のマシンが、金曜日の2回のフリー走行を経て、当該区間で苦しんていたという。motorsport.comの取材によれば、そのうちのひとつはアウディだったようだ。
ただFIAは、これが安全上の問題であるということを認め、変更を加えることを決めた。
「ストレートモードの作動時に、一部のチームが経験しているダウンフォース減少の程度について、詳細な情報を得るのは初めてだ。これは我々にとって新しい情報であり、一部のマシンにとっては、おそらく想定していた以上に大きなダウンフォースの減少となる」
そうトンバジスは語った。
「この影響は全てのマシンにとって同じというわけではない。一部のマシンにだけ『セットアップを変更する必要がある』と指示するだけでは不十分だ。十分な基準が確立されていない上、通知の期間も短いため、一部のマシンではなく、全てのマシンにアクションを起こす必要があると判断したのだ」
なおこの変更が各チームに通知されたのは、FP3開始の2時間半前になってからだったという。ただこのストレートモード区間が削除されたことで空気抵抗が増えるため、チームにとってはエネルギー戦略を見直す必要が出てくるだろう。
トンバジスは、この変更によって、適切に準備を進めてきたチームに不利益が生じたことを認めた。
「一部のチームは、その要素を考慮してきたことにとって不利益になったと主張するかもしれない。確かにそれは事実だ」
「しかし繰り返すが、我々は安全を第一に考えて行動した」

