2026年シーズンのF1が開幕したが、アストンマーティンは非常に厳しい船出となった。この状況に、ドライバーのフェルナンド・アロンソが精神的に追い込まれているだろうと、エイドリアン・ニューウェイ代表は考えている。
アストンマーティンは2026年からホンダとタッグを組み、体制も強化してきたことで期待が大きかった。しかしプレシーズンテストから問題が山積み。異常振動によってバッテリーにダメージが及ぶなど、トラブルが頻発するによって走行を重ねることも難しい事態に追い込まれた。
開幕戦ではバッテリーのスペアが無い状態にも追い込まれた。ただ問題はPUだけではなく、アストンマーティンの風洞開発プログラムの開始が4ヵ月も遅れていたことも影響を及ぼしているはずだ。その結果、ペースは上位勢から数秒遅れだ。
そのためアロンソが追い求めてきた2006年以来の自身3度目F1タイトルの夢は、ほぼ絶望的な状況にあると見られている。しかも彼は今年45歳を迎え、契約も今シーズン末で満了する。
アストンマーティンのエイドリアン・ニューウェイ代表は、アロンソにとって現状は精神的に厳しいだろうと認めた。
「彼は本当に偉大なドライバーのひとりだ。能力、才能、総合力を考えれば、これまでの勝利数や獲得した2回のタイトルよりも、もっと多くの勝利やタイトルを手にしていてもおかしくなかった」
ニューウェイ代表はそう語る。
「今でも非常に速く、非常に才能があり、頭の回転も鋭い。本人と話しても、衰えを感じている様子はない。視力も非常に良いし、反応速度についても、昨年のスタート反応時間で最速だったことを誇りに思っているようだ」
「彼は本当に素晴らしい人物だ。我々も、今シーズンが難しい年、つまり“基礎を築く年”になることは分かっていたので、期待を抑えようとしていた」
「少なくともシャシー面では、アストンマーティン側の開発開始が非常に遅く、開発サイクルも極めて圧縮されていた。言い訳ではないが、そのことからシーズン序盤は遅れを取る可能性が高いと分かっていた」
「しかしシャシー面にはまだポテンシャルがあると私は信じている。本来なら追いつけるはずだった。ただ今は別の問題が生じてしまっている。だからフェルナンドにとって、今は精神的に厳しい状況だ」
アロンソにとってホンダエンジンのトラブルに見舞われるのは今回が初めてではない。2015年から2018年までのマクラーレン時代には、ホンダとの関係が悪化したこともあった。
中でも特に有名なのは2015年日本GPで、彼がホンダのパワーユニットを「GP2エンジン」と無線で酷評した出来事だ。しかし今回、アロンソはホンダに対してはるかに好意的な姿勢を見せている。
「ホンダが問題を解決すると100%信じている。過去にもそれを実証しているからだ」と、アロンソは言う。
「彼らは常に競争力のある、F1トップレベルのエンジンを作るメーカーだ。おそらく、問題は必要な時間だろう」
「そこが僕のキャリアの時間軸と一致するかどうかは分からない。問題がいつ解決するのか、正確に知るための水晶玉は持っていないんだ」
「レースごと、そして月ごとに状況を見ていくしかない。短期間で改善が見られることを願っている。それが来年についての自分の決断にも影響するだろう」
なおオーストラリアGPの2日目、フリー走行3回目では19周を走破。ようやくしっかりと周回を重ねることができた。また1周のペースでも、まだ上位との差は大きいものの、初日と比べると進歩したように見える。
アストンマーティン・ホンダはこの先どんな進歩を見せるのか、注目が集まる。

