
セレッソ大阪がドイツ名門ドルトムントとパートナーシップを締結。育成指導者の交流、ナレッジやノウハウの共有へ
2010年に香川真司、14年に丸岡満が赴き、24年には親善試合を実施するなど、以前から良好な関係性を築いているセレッソ大阪とドイツの名門ボルシア・ドルトムント。
両クラブは1月末にオフィシャル・クラブパートナーシップを締結。そして3月7日の清水エスパルス戦に合わせて、ドルトムントのクリスティアン・ディアークス・フットボールアカデミー・マネージメント・ダイレクター、ヨルク・ハインリヒ・レジェンド・アンバサダーら関係者が来日。記者会見が行なわれ、今後の方向性や取り組みを明らかにした。
「今年のシーズン頭にも伝えた通り、セレッソは真の育成型クラブを目ざしています。国際化も進めていて、アルメレ・シティをグループクラブ化し、髙橋仁胡を行かせています。今回、世界的なアカデミーを誇るドルトムントと提携しましたが、まず育成面のナレッジやノウハウの共有を進めていきます。ドイツから指導者も来ていただくなど、連係強化を図っていくことになります」
日置貴之社長はまずこのように説明。会見に出席した小林大輔アカデミーGMらが3月下旬にドルトムントを訪問し、環境面の視察やディスカッションを行なうところから具体的な活動に着手していく構えだ。
同じ3月下旬には、東京都内でサステナビリティカンファレンスを両クラブで共同開催。5月以降にはドルトムントの育成指導者が来日し、フルタイムでCクラブに勤務。アカデミーのビジョンや方向性をともに構築し、時には指導も行なうという。
「日本に常駐スタッフを送ると同時に、ドイツにも日本人コーチを招聘して、学ぶ機会を作りたいと考えています。20年後を見据えて、今後のサッカー発展に協力し合っていくつもりです」とディアークス氏も力を込めていた。
ドルトムントの育成と言えば、かつてはマリオ・ゲッツェやマルコ・ロイス、近年ではジェイドン・サンチョ、ジュード・ベリンガムといった優秀な若手が大きな飛躍を遂げている。こうしたなか、昨今はフィジカルデータを分析しながらカテゴリー分けを行なって、適切な選手育成を進めるなど、独自メソッドも構築しつつある様子だ。
「ドイツでは、10年ほど前までは背が高く、足が速い選手を優先的に育てていました。そういう選手を重視した方が、結果が出やすいので我々もそういう傾向がありました。
しかし、育成年代には身体的成長の速い選手も、遅い選手もいて、技術やタレント性もまちまちです。そういった個性に配慮しながら、選手を育てていく必要があります。そこで身体能力を分析したクラス分けなども取り入れるようになりました」とディアークス氏は説明する。
そういった最先端のシステムを取り入れることができれば、C大阪にとってもメリットは大きいはずだ。柿谷曜一朗、山口蛍、南野拓実の後、日本代表としてワールドカップに参戦するような傑出したタレントを輩出できていない停滞感を打破する意味でも、今回の世界的ビッグクラブとの連係強化は彼らにとって追い風になりそうだ。
「私は12~13年前に初めて来日し、セレッソのサッカースクールで指導しましたが、日本の子どもたちは休憩時間にも熱心にボールを触り、リフティングをしていた。そういう積極性はドイツの子どもたちには見られないもの。そこには大変驚きました」とディアークス氏も前向きに話している。
日本の子どもたちのサッカーに対する積極性や貪欲さは、サッカー先進国のドイツを上回るものがあるのかもしれない。だからこそ、今では50人、100人といった日本人選手が欧州で活躍するようになったのだろう。
サッカーへの意識や学習意欲の高さに、ドルトムントが培った最先端のメソッドやナレッジが加われば、C大阪の育成環境に大きな化学変化が起きる可能性も少なくない。今回の提携によって、C大阪がこの先、どのような変貌を遂げていくのか。それを興味深く見守っていきたいものである。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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