マクラーレンのランド・ノリスは、F1は「史上最高の車からおそらく最悪の車になってしまった」と述べ、エネルギーマネジメントが過度の重視されるようになったことを嘆いた。一方、オーストラリアGPでポールポジションを獲得したジョージ・ラッセル(メルセデス)は、新しいルールを擁護した。
それもそのはずだ。メルセデスはフロントロウを独占。特にラッセルは予選3番手となったアイザック・ハジャー(レッドブル)に0.785秒の大差をつけている。勝負の世界でアドバンテージを得たのなら、それを手放したくないと思うのは自然なことだ。
一方でディフェンディングチャンピオンのノリスは予選6番手と、物足りない結果となった。しかしノリスは自身の結果以上に、初めての予選を経験した2026年マシンに失望したようだ。
新世代のマシンは軽量化され、機敏性も向上した。しかしF1マシンの魅力である高速コーナーでの走り方が劇的に変わってしまったのは事実だ。高速コーナーでは速度を少し犠牲にし、エネルギー回生を行なってその分のエネルギーを他の場所で使う方がラップタイムは向上するからだ。
それが顕著だったのは、アルバートパーク・サーキットの難所であり、見どころでもあるターン9-10のスイッチバック区間だろう。その手前のロングストレートで回生を行なうため、ドライバーたちはかなり手前から減速。これまでのように、高速でコーナーに飛び込むことはなくなった。
「何が問題なのかは誰もが分かっていると思う」とノリスは語った。
「ただ(エンジンと電気出力が)50:50の割合だとうまく機能しないというだけだ。ストレートラインモード(アクティブエアロ)を採用するということは、他にも多くの問題を抱えているということだ」
「コーナー手前でかなり減速するんだ。どこでもアクセルをリフトしなければいけない。確実にバッテリーパックを充電しなくちゃいけない。しすぎても厄介なんだけどね。すごく難しいけど、それが現状だ。ドライバーとしては心地良いものではないが、ジョージはきっと笑っているだろう。与えられるものを最大限に活用しなくちゃいけない」
「F1史上最高、最も運転しやすいマシンから、おそらく最悪のマシンに乗り換えたんだ。最悪だけど、これを受け入れるしかない」
ノリスは予選Q3で、アントネッリのマシンから落ちたクーリングファンを踏んでしまった。ノリスは当時の状況について、ダッシュボードに集中せざるを得なかったため、デブリに気付いた時には手遅れだったという。
「ステアリングホイールを見ていたんだ」
「だからデブリが見えなかった。ストレート終盤の速度を予測し、ブレーキを30m手前で踏むべきか、10m先で踏むべきかを判断しなければならないからだ。これも問題だ。3秒ごとにステアリングホイールを確認して状況を把握しないと、コースアウトしてしまう」
レッドブルのマックス・フェルスタッペンもノリスの指摘を支持し、金曜夜のドライバーズブリーフィングで懸念を表明。チームメイトのアイザック・ハジャーも「パワーユニット関連の規定には賛成できない」と述べた。一方、ポールポジションを獲得したラッセルは、シャシー規制の改善点を強調した。
「マシンはより機敏になった。タイヤを少し滑らしたり、ロックアップしたりコースアウトすることも増えた。リヤのグリップを失いやすくなった」とラッセルは予選後の記者会見で語った。
「正直なところ、昨年は跳ねるバスのような感覚だったが、今年はゴーカートに近い感覚だ」
「新レギュレーション全体については賛否両論はあると思うけど、過去8年間続いてきたものとは比べ物にならないほど、車両規定は間違いなく前進だと考えている」
ラッセルは新しいPUの課題について、Skyに次のように語った。
「一度理解すれば、それは新たな常識になると思う。純粋なレースか? おそらく違うだろう。でも慣れるものだし、まだ初戦だ」
「FIAが変更を加えようとしていることは承知している。僕は全てを早急に判断したくないドライバーの一人だったけど、メルボルンはおそらく今のエンジンにとって最悪のサーキットだろう」

