F1オーストラリアGPの予選では、メルセデス勢が圧倒的な速さを見せ、決勝レースのフロントロウを独占した。これについてフェラーリのルイス・ハミルトンは、メルセデス製パワーユニット(PU)の優位性について、懸念を語った。
メルセデスのジョージ・ラッセルは、オーストラリアGPの予選Q1からQ3の全てで最速タイムをマーク。チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリも2番手に入り、メルセデス勢がフロントロウを独占した。
それだけではない。ラッセルのタイムは、3番手アイザック・ハジャー(レッドブル)に0.785秒もの大差をつけるもの。アントネッリのタイムだって、ハジャーよりも0.5秒ほど速い。まさに圧倒的な差をつける速さであった。
フェラーリ勢はさらに差をつけられ、4番手シャルル・ルクレールは0.809秒遅れ。7番手となったハミルトンは、0.960秒も遅れた。
古巣メルセデスのこの速さについて問われると、ハミルトンは困惑した表情でこう答えた。
「正確には理解できない。テストではパワーを上げられるようには見えなかったのに、今になってどこからかパワーが出てきたという状況だ。それが一体何なのか、理解する必要がある。圧縮比の問題ではないことを願っている。純粋なパワーの問題であってほしいね。僕らはもっと頑張らなきゃいけない」
F1のエンジンの圧縮比は、昨年までは18:1と規定されていたが、今季からは16:1に引き下げられた。しかしメルセデスは、エンジンが稼働して高温になった時に、その圧縮比を引き上げるトリックを見つけたとされている。ハミルトンはその効果がこの速さに繋がった可能性を危惧しているのだ。
「もし圧縮比が(このパフォーマンスの差を)生み出しているのであれば、FIAがそれを容認したことに失望するだろうね」
そうハミルトンは語った。
「これは規定に反したモノだ。より多くのパワーを得るために、僕のチームにも同じことをするように働きかけるつもりだ」
先日レギュレーションが改定され、6月1日以降は常温の時とエンジンが130度になった時の両方で、圧縮比が計測されることになっている。しかしハミルトンは、この対処では遅すぎると主張する。
「もし数ヵ月もこんな状況が続けば、シーズンはおしまいだ。まあ終わるわけじゃないけど、数ヵ月間予選で1秒遅れてしまうと、多くのポイントを失うことになる」
ハミルトンは自身のQ2とQ3のパフォーマンスに、特に失望しているようだ。
「Q2までは基本的に素晴らしい週末だった。マシンのフィーリングはよく、全てに満足していた」
ハミルトンはQ2の計測ラップで、一時セクター1で全体ベストを記録した。しかしその後失速し、そのままピットイン。これがターニングポイントとなった可能性を、ハミルトンは指摘する。
「Q2に進んだ後、パワーがほとんど失われてしまった。結局ピットインせざるを得なかったんだ」
「ミディアムタイヤでは安定していたんだけど、ピットインしたことで他の多くのドライバーの後ろに並んでしまうことになり、タイヤの温度が下がって、調子が悪くなってしまったんだ。そして結局、良いラップを刻むことができなかった」

