岡山国際サーキットで2日間にわたって行なわれたスーパーGT公式テスト。そのトップタイムは、やはりと言うべきか36号車au TOM'S GR Supraだった。
もはや誰もが見慣れた光景だ。2023年は坪井翔と宮田莉朋のコンビで、2024年と2025年は坪井と山下健太のコンビでGT500クラスを3連覇してきたau TOM'Sは、今年も順調なプレシーズンを過ごしている。岡山テストでは初日から常に上位のタイムを記録し、ロングランもしっかりとこなした。
今季はオフシーズンの空力開発が解禁されたシーズンであり、3月をもってホモロゲーション(認証=仕様確定)をする形となっているが、公式テストを走るスープラは、“デザインライン”と呼ばれる開発可能なエリアのスタイリングも昨年とほとんど変わっていないように見える。どうやら変わったのはミラーくらいだという話も……しかし昨年はランキング1位、3位、4位、5位、6位にトヨタ勢が入ったのだから、従来のコンセプトを踏襲するのはある意味当然かもしれない。
スープラは他メーカーの車両と比べ、マシンが跳ねることなく、綺麗に路面を捉えていると多くの関係者が口にする。2020年からGT500で採用されているスープラのセットアップも熟成が進んだ結果方向性が収束しており、それが前述のように多くのチームが高いレベルのパフォーマンスを見せられる一因となっているのだろう。
au TOM'Sの吉武聡エンジニアも、今回のテストでは開幕戦に向けてタイヤコンパウンド・構造の評価に専念しており、セットアップの作業はほとんどしていないのだと明かす。
「もう7年も使っているので、いくところまでいっているというか……(苦笑)。これ以上伸びしろがあまりないんですよ」
「今回もセットアップはほとんどやっていません。来週には開幕戦のタイヤを決めないといけないので、そのタイヤのどれにするか選ぶというのが第一優先でした」
裏を返せば、スープラ勢でセットアップの方向性が収束している現状では、その中で抜きん出るには、レースウィークに向けどのようなタイヤを持ち込むかが大きなファクターとなるということだ。「タイヤを選ぶのがGTのエンジニアの仕事で大きなパーセンテージを占める」という吉武エンジニアは、来季からタイヤがワンメイク化されることについては、「エンジニアとしては全然面白くないですね」と率直に述べた。
今季もチャンピオン最有力のau TOM'S。前人未到の4連覇がかかっているが、彼らのウィークポイントを無理やりにでも挙げるなら、吉武エンジニアが言及した「伸びしろ」なのかもしれない。吉武エンジニアは、逆に今季からホンダ陣営が投入したプレリュードGTは、現状はタイムシートの下位となっているが、伸びしろが大きいだろうと語った。
「ホンダさんはこれからセットアップも煮詰めていくでしょうし、伸びしろも結構あると思うんですよ。うちはもう、毎回いっぱいいっぱいのところで走っているので」
「今日(テスト2日目)のセッションでも、ホンダ勢が上の方に来ることもありましたよね。逆に言うと、シェイクダウンから半年くらいでそこまで来てるのか、というイメージです」

