「ご主人が会社でリストラ候補にあがっているよ」
そう聞かされて動揺しない妻はいないだろう。
神奈川県在住の佐藤朱里さん(仮名・45歳)も「目の前が真っ暗になった」と当時の心境を語っている。
「家のローンもあるし、小中高校生の3人の子どもにもまだまだお金がかかる。私もパートに出ているとはいえ、あくまでお小遣い稼ぎ。大手の会社だから安心していたのに、これからどうすればいいの!? って途方に暮れました」
朱里さんのご主人(42歳)は勤勉実直を絵に描いたようなIT系サラリーマン。
「入社以来、20年近く会社に貢献して来たはず」だそうで、あまりにも理不尽な話である…が、そもそも、朱里さんはどこからその情報を掴んだのだろうか。
「実は私、夫の上司と不倫関係にありまして、寝物語に聞かされました。夫に落ち度があったとは思えないので理由を聞いたら『社内の派閥闘争に巻き込まれた』とのことでした。要するに貰い事故みたいなものです」
経緯はさておき、早急に対策を練る必要がある。
そこで朱里さんは不倫相手の上司に何とか便宜を図ってもらえるよう、禁断の逢瀬を「枕接待」に心の中で切り替えてベッドでサービスに励むものの、手応えが感じられず。
「こうなったら自力で乗り越えるしかない」と「Xデー」に備えて「転職エージェント」に相談を始めた。
「ママ友から、転職エージェントを使ってご主人が転職したという話を聞いたことがあったのを思い出したんです。それで評判の良い業者に事情をすぐ打ち明けたら、一緒に善後策を考えてくれました。夫の経歴や実績があれば好条件での転職が可能と言われて、やっと一息ついた気分でした」
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備えあれば憂いなし!
ここからは企業秘密だそうなので詳細は省くが、朱里さんはエージェントに言われた通りに書類を揃えたり、夫の身辺を整えたりして準備を始める。
そしてXデーがやって来た。
「その日、夫は青ざめた顔で帰宅しました。普段は冷静で穏やかな夫が動揺しまくりで、見ていて可哀想になりました」
「お前や子どもに苦労をかけることになる…」とうなだれる夫に「何とかなるわよ」と声をかけた後、朱里さんは「実はこういうこともあるかと思って…」とエージェントの話を持ち出す。
「前もってリストラを知っていたことを悟られないように『突然リストラされた知り合いの話を聞いた』と言って、備えあれば憂いなしのつもりでエージェントに相談したことにしました。リストラ自体が晴天の霹靂だった夫は、怪しむ心の余裕もなかったみたいで話にノッて来ましたよ」
かくして転職は成功し、朱里さんの夫は新天地で仕事に励んでいるという。
「結果オーライというより先手必勝って感じですかね。夫と一緒にリストラされた同僚の中にはショックで引きこもりになった人や日雇いのアルバイトで食いつないでいる人もいるようなので、うちはラッキーでした」
ちなみに件の元上司とは現在も不倫続行中だとか。
「結果的に、彼からのリークで救われたようなものなので感謝のつもりです。夫が転職したことで逆に会いやすくなったっていうのもありますけどね(苦笑)」
…知らぬは夫ばかりなり。
取材・文/清水芽々
