F1オーストラリアGPの予選は、メルセデスがライバルを圧倒してフロントロウを独占する結果になった。これに対し、ライバルの見方は分かれている。
ポールポジションを獲得したジョージ・ラッセルとライバルの差は、3番手のアイザック・ハジャー(レッドブル)ですら約0.8秒。2番手のアンドレア・キミ・アントネッリと比べても約0.5秒差という状況だった。
この結果はプレシーズンテストの段階からチャンピオン候補と見られていたメルセデスの評価を裏付けるものだ。
ただ、これまでメルセデスが高く評価されていたのは、ロングランが速そうだという点からだった。しかし今回、アタックラップでも圧倒的に速いことが明るみに出たわけだ。
予選4番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)からは予選でのパフォーマンスには驚いたという声が発せられた。
「昨日は差が0.5秒くらいだと言っていたが、今は0.8秒になっている。正直、予想より大きな差だ」と、ルクレールは言う。
「昨日の時点でもかなり大きな差だった。だから今朝のFP3で見たパフォーマンスには本当に驚いた。ジョージの最後のラップのパワーは信じられないほどだった」
「最初にデータを見たとき、何かおかしいと思ってもう一度アップロードし直したくらいだ。でも実際にそうだった。本当に印象的だ」
メルセデスの圧倒的な速さは、同じメルセデス製パワーユニットを使う去年の王者チームであるマクラーレンとの差によって、さらに際立っている。2025年王者のランド・ノリスは0.957秒差の6番手、そのチームメイトのオスカー・ピアストリも0.862秒差の5番手だった。
「だいたい予想通りではあると思う。ただ、メルセデスがここまで前にいるのは少し驚きだった」
ピアストリはそう語る。
「僕たちとしては、3番手争いくらいは可能だったかもしれない。でもまだ全てをまとめ上げられていない。このマシンではラップごとに少し設定を変えるだけでパワーが増えたり減ったりする。必ずしも予想通りの方向に進むわけではないんだ」
「だから学ぶべきことは多い。ただ、だいたい予想していた位置にはいると思う」
なおピアストリはバーレーンテストの段階から既にレースシミュレーションも手厚く行なっているメルセデスとの差はさらに広がるかもしれないと考えている。
「本格的なロングランは、まだ誰もそこまでやっていない」
「でもメルセデスはやっていて、今日よりさらに速そうだった。僕たちは短めなのをやったけど、誰も完全なシミュレーションはしていない」
一方で、メルセデスのパフォーマンスに驚いていないドライバーもいる。レッドブルのマックス・フェルスタッペンだ。彼はバーレーンテストの時点で、圧縮比を巡る議論の影響もあり、メルセデスが本来の速さを隠していると指摘していた。
「バーレーンの時にはもう言っていたことだ。メルボルンまで待てば、彼らがどれだけ速いか分かるとね。だから、僕としては驚くことじゃないよ」
今回の状況は、2014年にメルセデスがターボV6ハイブリッド時代への突入を完璧に成功させたときと似ている、とも言われている。ラッセル自身も今回のパフォーマンスについて「昔のメルセデスのようだ」と語っていた。
開幕戦オーストラリアGPの決勝レースは、2026年シーズンの趨勢を占う1戦として、特にメルセデスには注目が集まってくるだろう。

