メルセデスは2026年のF1シーズン開幕戦であるオーストラリアGP予選でフロントロウを独占。近年のグラウンドエフェクト時代には苦戦を強いられていたが、そこからの立ち直りに、チーム代表も満足感を示している。
オーストラリアGPの予選ではメルセデスのジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリのふたりが他チームを圧倒。ラッセルは1分18秒518を記録してポールポジションを獲得したが、これは3番手のアイザック・ハジャー(レッドブル)に0.785秒もの大差をつけるものだった。2番手に並んだアンドレア・キミ・アントネッリはラッセルから0.293秒差だが、彼と3番手以下を比べても、その差は大きかった。
2022年にグラウンドエフェクトを大いに活用したマシン規定となった後、メルセデスは苦しんだ。しかし2026年シーズンの新レギュレーションで、息を吹き返したようだ。
チームを率いるトト・ウルフ代表は、この予選結果に満足した様子を見せた。
「厄介だったグラウンドエフェクトのマシンがついに消え、ようやく我々が最も得意な走りができるようになり、とても嬉しいよ」と、ウルフ代表は予選後にスカイスポーツF1に語った。
「ジョージは人間として、そしてドライバーとして、さらに成熟し自信を深めた。彼はこういうマシンが好みなのだと思う」
「確かにマシンはダウンフォースを(2025年までのマシンと比較して)失っているが、空力面とメカニカル面を見ると、今日はまるでレールの上を走っているように見えた」
「ドライバーがマシンに自信を持てている時には、こういった走りができる。ドライバーとマシン、そしてパワーユニットの組み合わせだ。今日はすべてが噛み合い、ポールポジションを獲得できた」
メルセデスに対しては、プレシーズンテストやフリー走行では意図的にパフォーマンスを隠していたのではないか、という声もある。しかしウルフ代表は“三味線を弾く”ようなことはしていないと主張した。
「実際のところ弱いふりなどはできない。少なくとも我々にはできない。マシンの本当のポジションが分からなくなるからだ」
「だからこの差には我々自身も驚いている。しかし結果としては喜んで受け取ろう」
なおメルセデスはめでたくフロントロウを独占したが、2台で上位を狙う以前の問題となる可能性もあった。FP3でアントネッリがクラッシュし大ダメージを負ったマシンの修復が、間に合わない可能性もあったからだ。ウルフ代表は、迅速な修復を果たしたメカニック達を称賛し、次のように語った。
「マシンは、まるでレゴのF1カーを床に投げつけたような状態だった。文字通り(予選)セッション開始の2時間前のことだ」
「セッション開始5分前の時点で、私は『間に合わないだろう』とチームの皆に言っていたんだ」
しかし予選Q1でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がクラッシュしたことが助けとなった。セッションが赤旗中断となったことで、メルセデスはマシン修復の時間を確保することができたのだ。
「マシンを組み上げるだけでなく、アントネッリがあのラップを走ったこと自体が奇跡だ。マシンにはセットアップがどころではなく、まともに測定すらできていなかったんだ」
なおウルフ代表は、アントネッリとラッセルタイトル争いの可能性については、まだアントネッリが2年目で経験も十分ではないと指摘し、期待を抑えようとした。
「純粋な速さという意味では、彼(アントネッリ)は間違いなくそのレベルにいる」
「しかし彼はF1でまだ2年目だ。一方でジョージは9年か10年の経験がある。総合的に見ると経験は重要であり、キミがジョージと直接比較されるにはまだ早いと思う」

