「幸福を語る経営」から「幸福で判断できる経営」へ

プロジェクトを推進する下坂大夢氏(日本JC)は、ウェルビーイングを「経営戦略」へ引き上げる姿勢を鮮明にしました。
「目指すのは“幸福を語る経営”ではなく、“幸福で判断できる経営”です。人を大切にする経営を、単なる理念から戦略へ引き上げる取り組みなのです」
下坂氏は、現在の地域企業が抱える「人材の定着」や「生産性の向上」といった課題を解決するためには、これまでの経営のあり方をアップデートしなければならないと説きます。具体的には、以下の3本の柱で研究が進められます。
1.メカニズムの解明
社員が家族と過ごす時間の質や地域コミュニティでの充実度が、創造性や企業の成長にどう還流するのかを定量的に分析
2. ウェルビーイング成長指標の策定
ライフキャリア充実度や心理的安全性を可視化し、財務情報だけでは測れない「未来の成長ポテンシャル」を測定する独自の物差しを開発
3.社会実装
抽出された成功法則を地域企業へ試験導入し、モデル企業の認定と成果の公開
下坂氏は、「一部の先進企業だけの取り組みにするのではなく、全国の地域企業が導入できる普遍性と再現性を備えた経営モデルの確立を目指す」と、その展望を語りました。
「弱み」を開示する経営者と企業の成長

100年生活者研究所の大高香代氏からは、日本JC所属の経営者を対象とした意識調査の結果が報告されました。業績を伸ばす「100年企業」の経営者には、周囲との関係性に顕著な特徴がありました。

「驚くべきことに、100年企業の経営者は、パートナーと志を共有しているだけでなく、自分の『弱み』も開示している割合が高いという結果が出ました。6割以上の経営者が弱みを開示しており、他社に比べ有意に高いスコアを示しています」(大高氏)
孤独に決意を固めるリーダー像とは対極に、自身の幸せや「弱さ」を身近な人と共有できる経営者こそが、社員の共感を生み、組織の活力を引き出している実態が明らかになりました。
