世界を変えるかもしれない高校生の挑戦 5つのプロジェクト

最終審査会には、これまでの審査を勝ち抜いた5つのチームが挑みます。それぞれのチームが掲げるテーマは実に個性的で、「高校生がこんなことを考えているのか」と驚かされるようなアイデアも少なくありません。夢の大きさや方向性はそれぞれ違いますが、どの企画にも「本気で実現したい」という思いが込められています。
たとえば「DREAM KICK」という企画では、サッカーを通じて日本とベトナムをつなぐ活動を目指しています。チャリティーサッカー大会の開催や移動式サッカースクールの運営などを通じて、青少年の健全育成や地域交流、さらには国際的な友好関係の促進につなげていきたいという構想です。スポーツをきっかけに国と国をつなぐという発想は、とてもスケールの大きな挑戦といえるでしょう。
また、「エコクエスト」という企画では、環境問題をテーマにしたカードゲームの開発に取り組みます。協力型のバトルカードゲームとして設計し、遊びながら環境について学べる仕組みを目指しているそうです。ワークショップなどを通じて多くの人に体験してもらうことで、楽しみながら環境意識を高めてもらいたいという思いが込められています。
さらに、「どこでも作れるジェットコースター」というユニークなアイデアも登場しています。遊園地に行かなくても、公園など身近な場所で組み立てて楽しめるジェットコースターを開発し、将来的には商品として販売することも視野に入れている企画です。遊びの楽しさをもっと身近にしたいという発想から生まれた挑戦です。
技術系の分野では、「世界にまだ無い発電機を」というテーマも注目を集めています。磁石の特性を活用し、燃料を使わない環境にやさしい発電機の開発に挑むという壮大なアイデアです。高校生の段階でエネルギー技術に挑戦する姿勢には、研究者のような探究心も感じられます。
そしてもう一つ、「私たちのアート展」という企画では、高校生が自由に表現できる場をつくることを目指しています。創作活動を行う高校生たちが、自分の作品を発表できるアート展を開催し、同世代の表現を広く発信していきたいという思いが込められています。高校生が主役となる文化の場を生み出そうとする取り組みです。
スポーツ、環境、技術、文化と、テーマは実に多彩です。それぞれの企画には「こんな社会をつくりたい」「こんな体験を広げたい」という思いがあり、高校生らしい自由な発想と行動力が感じられます。どの企画が資金を獲得し、実際に動き出すのか。最終審査会の結果にも大きな期待が集まります。
夢を現実にした先輩たち JETENGINEプログラムが生んだ挑戦のストーリー

JETENGINE PROGRAMがユニークなのは、アイデアを発表して終わりではなく、実際に夢を形にしてきた先輩たちの実績があることです。これまでの取り組みの中では、生徒たちが社会に目を向けながらさまざまな挑戦を行い、その一部は実際にプロジェクトとして動き出しています。

その一例が、バングラデシュの子どもたちを支援するプロジェクトです。学校に通う環境が整っていても、貧困や児童労働、ジェンダー問題などの影響で通学が難しい子どもたちがいるという現状に目を向け、「学びの機会を広げたい」という思いから活動が始まりました。
生徒たちは支援団体の協力を得ながら、バングラデシュの小学生に291着の制服を届ける取り組みを実施。制服を受け取った子どもたちが学校に通えるようになっただけでなく、オンライン交流や文化体験を通じてお互いの理解を深める機会にもつながったといいます。

また、技術分野の挑戦として印象的なのが、インターネットにつながるクレーンゲームの開発です。「身体が不自由な人でも楽しめるゲームを作りたい」という思いからスタートしたこの企画では、インターネットを通じて操作できる小型のクレーンゲームの制作に取り組みました。設計には3D CADを使い、部品の制作には3Dプリントなどの技術も活用しながら、実際に動く装置を完成させたそうです。

このプロジェクトは、その技術力や発想が評価され、日刊工業新聞社が主催する「九州ロボットコンテスト2024 モノづくりフェア杯」で優勝を果たしました。高校生のアイデアが実際のものづくりにつながり、さらにコンテストで評価されるという成果は、JETENGINE PROGRAMの象徴的な例といえるかもしれません。
こうした取り組みを見ると、このプログラムが単なるアイデア発表の場ではないことがよく分かります。社会課題に目を向けたり、新しい技術に挑戦したりしながら、実際に行動に移していく。そこには「やってみたい」を本気で形にしようとする生徒たちの姿があります。
夢を語るだけではなく、それを実際に形にする経験を積む。JETENGINE PROGRAMは、そんな挑戦の場として多くの生徒に新しい可能性を与えているようです。
