メルボルン・アルバートパークでのF1開幕戦オーストラリアGPを終えて最も安堵したのは、14位でフィニッシュしたフランコ・コラピント(アルピーヌ)かもしれない。彼はスタートであわや大事故という場面に遭遇していた。
今季のF1はパワーユニット規則の変更でMGU-Hが廃止されたことにより、ターボチャージャーの回転をアシストする機構がなくなり、発進がより難しくなっている。実際開幕戦のスタートでも、蹴り出しが良いドライバーとそうでないドライバーの差は大きく、かなりの順位変動が起こった。
中でも8番グリッドを獲得していたレーシングブルズのリアム・ローソンは最悪のスタートとなり、一気に18番手までポジションを落としてしまった。
スタートで何が起きたのか尋ねられたローソンは次のように語る。
「正直、まったく分からない。スタートを切ったのに全然動かなくて、完全にパワーを失った。それから5秒くらいはパワーが戻らなかった」
「数秒後にようやくパワーが戻ったけど、今度はホイールスピンした。何が起きたのか分からない。テストではこんなことは一度もなかった」
グリッドを離れノロノロと進むローソンに追突しそうになったのが後続のコラピント。既にかなり加速していたコラピントにとって、目の前に突然ローソンのマシンが現れたような格好となったが、レーシングブルズのマシンとピットウォールの間のわずかな隙間をかいくぐって回避し、大事故を免れた。
コラピントも、非常に危険な思いをしたと振り返った。
「スタートでは、リアムがグリッドで止まってしまっていて、僕たちは大きなクラッシュになりかけた。正直に言って、1周目を無事に通過できたのは本当に運が良かった」
「本当に運が良かった。こういうことは新しいマシンでは起こり得るけど、あれは本当に危険だったし、かなりヒヤッとする瞬間だった。とにかく無事に通過できてよかった。右リアを少しウォールに当ててしまったけど、それくらいだった」
大事故を回避したふたりは、そのままレースを続行。スタートで下位に沈んだローソンはポイント圏内まで挽回することができず、13位。チームメイトの新人アービッド・リンドブラッドが8位に入ったのとは対照的だった。
「かなり悔しい」とローソンは言う。
「昨日はすごく良い日で、2台ともいいポジションにつけていた。レース中のペース自体は悪くなかったと思うけど、エネルギーマネジメントなどいろいろな問題と戦い続けることになった」
「だから後で見直すつもりだけど、まったくクリーンな一日ではなかった。スタートだけでなくレース中も問題と戦い続けていたから、残念だ」
そしてコラピントはローソンの後ろ14位でのフィニッシュ。フォーメーションラップ直前の作業禁止時間にメカニックがマシンに触れてしまったことで、ストップ&ゴーペナルティを受けたことが痛かった。

