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夏はトライアスロン、冬はノルディックスキー。鉄人・佐藤圭一が追い求めるマルチな強さ

夏はトライアスロン、冬はノルディックスキー。鉄人・佐藤圭一が追い求めるマルチな強さ

競技の枠を越えて鍛えられた心身

ミラノ・コルティナ大会に向けても、2025年秋に虫垂炎にかかり、3日間も痛みに耐えたため腹膜炎になる寸前まで状態が悪化。2週間ほどの入院でせっかく蓄えていた筋力も持久力もかなり落ちたが、そこから這い上がってきた。

とはいえ、さすがに手術・入院の影響は残り、イタリア入りしてからもフィジカルコンディションは「100%ではない」(佐藤)という。それが、パフォーマンスに響いた。

加えて、射撃でこれまでにないほどミスが多かった原因の一部も、フィジカル面にあるという。

「(走りで)出遅れたという気持ちがあったので、射撃タイムも削らないといけないと思い、呼吸調整をいつもよりも短めにした。少し急いで撃った感じもあったので、そこが(的の)真ん中に寄せれなかったという原因ではあると思う」

そう語る佐藤だが、何と言っても彼の真骨頂は、競技の枠を越えて発揮してきた「挑戦力」にある。

例えば、水泳、自転車、ランの総合力で競うトライアスロンで培った持久力は、冬季の競技にも活きている。長年にわたって世界のトップと張り合うレベルを維持する土台になっているのは、多方面から鍛え抜いた強靱な心身だ。

また、動きを瞬時に切り替える能力は、バイアスロンにも活きている。クロスカントリースキーの滑走と射撃を組み合わせたこの競技は、「動」と「静」を繰り返す過酷な種目。持久力と集中力の両方が試されるバイアスロンは、マルチに鍛えてきた佐藤の能力が十分に発揮される競技なのだ。

挑戦を続ける理由

冬季と夏季をまたぐ二刀流アスリートは、東京2020大会の開催により一時的に増えたが、やがてどちらかに専念するようになった選手が少なくない。だが、佐藤は挑戦をやめない。やめようとしない。

「人はどれだけ強くなれるか」「自分にしかできないことをしたい」「勇気を届けたい」。追い求めるテーマがあるからだ。

ミラノ・コルティナ大会に向けては、技術面の課題克服にも余念がなかった。昨シーズンを終えた後、外国勢と比べて弱点だと感じているクロスカントリーフリースタイルのスケーティング走法を強化すべく、スピードスケート選手の動きを参考にしたトレーニングを敢行。ウエイトトレーニングでもお尻に体重を乗せて筋肉をつけ、雪面をしっかり蹴っていける力強いフォームを作り上げた。

佐藤圭一は、夏冬パラリンピアンだ

佐藤はこのように言う。

「もともと、日本人はクラシカルは結構強いのですが、スケーティング(フリースタイル)で表彰台に乗るのが難しい。なので、海外の選手たちと一緒に練習して、自分なりに考えて、日本人でも通用するスケーティングをやってきた。自分の体調を整えてどれだけ食らいついていけるか、というところが重要だと思う」

40代半ばになってもその行動力はいささかも衰えない。「挑戦すること」そのものが、「佐藤圭一」というアスリートの原動力だ。

冬も夏も挑み続ける“鉄人”は、今日も限界を押し広げながら前へ突き進んでいる。

edited by TEAM A
text by Yumiko Yanai
photo by AFLO SPORT

配信元: パラサポWEB

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