プロ野球界では2027年シーズンから、セ・リーグでもDH制が導入されるが、これに賛成する野球解説者の山崎武司氏が、新たな提言を行っている。東海テレビの公式チャンネル「ドラHOTpress」に出演した山崎氏は、DH制とセットで「外国人枠の減少」と「予告先発の廃止」を訴えたのだ。
「DH制を導入するなら外国人枠は1個、減らしてほしい。そうすれば、日本人選手の競争も生まれる」
現在の1軍外国人枠は5だ。さらに山崎氏は、予告先発を廃止する理由として、DH制により代打起用の機会が減ることを挙げた。つまり予告先発がないことで、右投手か左投手かを含め、誰が登板するかがあらかじめわからないため、野手の起用に幅が生まれ、活発化するというのだ。
それではDH制導入による「外国人枠の減少」「予告先発の廃止」を実行した場合、いいことづくめとなるのか。
「いや、資金格差による戦力偏重が顕著になるでしょうね」
と話すのは、セ・リーグのとある球団関係者だ。
「資金力のある球団は、打撃に特化した外国人選手の獲得競争で有利になり、戦力格差がより広がる可能性が高まります。DH制によって打撃専任選手が増えるため、外国人枠を減らしたとしても、強豪球団への有力選手の集中は避けられないでしょう」
スポーツ紙デスクの考えはこうだ。
「日本人選手の機会減少、競争激化につながりますね。外国人枠が減ることで日本人選手の出場機会は増えますが、守備が苦手な打撃型の日本人選手ばかりが優遇される傾向が生じます。一方で、打撃も守備もそこそこというか、中途半端な選手の出場機会は減り、『競争が生まれる』と言いながらも、適応できない選手が淘汰されやすくなります」
再びセ・リーグ球団関係者の弁を聞こう。
「予告先発がないことで、戦術にはかえって混乱が生じると思います。対戦相手の打線や作戦が読みづらくなり、先発の『隠し合い』や試合直前の急な戦略転換による混乱が起きやすくなります。ファンサービスとして定着していた面があるため、現場と観客どちらの賛否も分かれるでしょうね」
新制度は慎重に議論・運営される必要がある、ということだ。

