●役所での洗礼 窓口で言われた「受け取りは本人同伴です」に驚き
ところが安心したのも束の間、カードの受け取りで思わぬ壁にぶつかりました。マイナンバーカードは、原則として「本人が交付窓口に出向いて受け取る」仕組みです。大人の場合は本人確認のために当然ですが、これが新生児にも適用されているのです。
私は生後1カ月の赤ちゃんを連れていく必要はない、代理ではあるものの申請者である保護者が行けばいいと思い、カード発行の受け取りに一人で役所に向かいました。ですが、窓口では「ご本人を連れて役所に来てください」と案内が! 申請時に「顔写真は不要」となっていただけに、「受け取りに本人必要!?」と、かなり驚きました。
制度としては「本人確認が必要」という大原則があるため、職員の方も規定通りの対応をしているのですが、現実的には赤ちゃん連れで役所に行くのはかなり大変。窓口で泣いてしまう赤ちゃんを抱っこしながら手続きをする親御さんも多いのではないかと想像し、モヤッとしました。
別の日に改めて生後1カ月の娘を連れて役所に。受け取りは数秒。この数秒間のためにまだ首も座っていない娘を車に乗せて窓口まで来たのに、と、ますますモヤっと感が残り後味の悪い受け取りとなりました。
●保育園でも感じた、マイナンバーカードの“制度と現場”のズレ
娘を保育園に預ける際にも、制度の過渡期らしい混乱を経験しました。入園時に案内された書類には「マイナンバーカードのコピーを提出でOK」とありました。つまり「保険証は不要」ということ。私は「制度が変わったから、もう保険証はなしでOKなんだ!」と理解して提出しました。
ところが数カ月後、園から「やはり保険証も必要になりました」と追加提出を求められたのです。「保険証はお持ちですか?」と園の方でも申し訳なさそうに言われたのを覚えています。
実際、2024年12月2日で新規保険証の発行が終了しましたが、既存の保険証は最長1年間有効です。そのため現場では「カードだけでは不安」「従来の保険証も控えておきたい」といった判断が働いているのではないかと推察できました。
幸い我が家では出生時に保険証を作っていたためスムーズに対応できましたが、「マイナンバーカードがあるから保険証は作らなかった」という家庭だったら慌ててしまったかもしれません。制度上はカードで十分でも、現場ではまだ保険証も併用されている――まさに“制度と現場のズレ”を体感した瞬間でした。

