アプリリアのマルコ・ベッツェッキの圧勝となったMotoGP開幕戦タイGP。ドゥカティは表彰台すら逃したが、チームマネージャーは「平手打ちを食らったよう」だったと認めている。
2026年の開幕戦はドゥカティにとって近年稀に見る厳しいレースだった。現王者のマルク・マルケスが陣営の中で唯一奮闘しトップ3入りを狙っていたが、彼はリヤタイヤのトラブルでリタイアせざるを得なくなったのだ。
そして他のドゥカティ陣営のライダーは、昨年2位のアレックス・マルケス(グレシーニ)が転倒、ファクトリーマシンを使うファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)は苦しいレースで6位……これがドゥカティ勢最上位となった。ドゥカティがここまで築いてきた連続表彰台記録は、『88』で途切れる結果となった。
一方でタイGPのレースウィーク全体を支配したのはアプリリアだった。予選からライバルを圧倒したベッツェッキが独走で勝利し、さらに3位、4位、5位と上位にアプリリア陣営のライダーが並んだ。
ドゥカティのチームマネージャーを務めるダビデ・タルドッツィは、タイGPの結果については、サーキット特性が影響したと指摘しつつも、この完敗劇にドゥカティとして衝撃を受けたことを認めた。
「コース特性がネガティブな影響を与えたとは思う。しかしジジ(ダッリーニャ/ゼネラルマネージャー)は状況を完全に理解している」
タルドッツィはSky Sportにそう語った。
「正直に言えば、我々は4発の平手打ちを食らったようなものだった」
「だが、これから本当の実力関係を明らかにするサーキットが出てくるはずだ」
「ブラジルは全員にとって新しいコースだが、それを除けばオースティン、カタール、ヘレスで実際の姿が見えてくるはずだ」
近年アプリリアは、ドゥカティ支配に対する最も有力なチャレンジャーとして台頭してきた。2025年にVR46から移籍したベッツェッキは、アプリリアを新たな高みに押し上げている。
ただシーズン開幕前には、ドゥカティのマシンが歴史的に多くのサーキットで高い競争力を示してきたことから、アプリリアがシーズンを通してタイトル争いを維持できるのか疑問視する声もあった。
タルドッツィはアプリリアの進歩を称賛しつつ、ベッツェッキの速さはすでに昨年から明らかだったと語った。
「アプリリアが素晴らしい仕事をしたのは明らかだし、ベッツェッキの調子も非常に良い。しかしそれは昨年の中盤からすでにそうだった。マルクは事故に遭ったが、それ以前からレースではいつも彼を倒すのに苦労していた」
「とはいえ、アプリリアには脱帽だ。本当に強かった。考えている改善策に取り組まなければならない。もう引き出しにしまっておく余裕はない。持っているものをすべて出す必要がある」
「だがジジはそのことを十分理解していると思う。だから我々の役目は、ドゥカティのライダーたちを再び表彰台争いができる位置に戻すことだ」
なおドゥカティはタイGP直前のブリーラムテストでは好調で、マルケスとフランチェスコ・バニャイヤは共にアタックでもロングランでも競争力を示していた。しかし実際のレースウィークの結果には結びつかず、決勝ではアプリリアだけでなくKTMのペドロ・アコスタにも先行を許すことになった。
タルドッツィは、タイGPの週末のマシンはテスト時ほど競争力がなかったと認めている。
「テストの時とはコンディションが変わり、すべてのドゥカティ勢が苦しんだ」
「路面コンディションも変わったし、湿度も違っていた。それですべてのドゥカティのパフォーマンスが少し落ちてしまったんだ」
「もちろんアコスタのKTMやアプリリアのように、他のバイクにはそうした影響が出なかった。とはいえ、言い訳したいわけではない。なぜそうなったのかを理解しなければならない、ということだ」

