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スタート前にバッテリー切れ続出! 新時代F1のフォーメーションラップはやること山積み?

スタート前にバッテリー切れ続出! 新時代F1のフォーメーションラップはやること山積み?

今シーズンのF1開幕戦のスタートには、各チームの真の勢力図を把握するためだけでなく、2026年のマシンがどのように動作するかを観察するためにも、大きな注目が寄せられていた。

 実際、スタートについてはプレシーズンテストで最も議論された話題のひとつであり、各車の特性に応じてメーカー間で様々な意見が飛び交っていた。

 確かなのは、フェラーリがまさに予想通りのスタートを切ったことだ。シャルル・ルクレールは、まるでスラロームのように巧みにライバルたちをすり抜けてターン1へと向かい、首位に浮上した。

 フェラーリが持つアドバンテージは既にテスト走行でも確認されていたが、今回は別の要因によってさらに増幅された。多くのドライバーがバッテリー切れに苦しみながらグリッドに着いたのだ。

 不思議なことに、ルクレール自身もバッテリー残量がかなり低かったものの、完全に使い果たされていたわけではなかった。だがフェラーリの場合、その影響は相対的に大きくなかった。フェラーリは以前から、新世代マシンはスタートが難しくなると予想。ターボを小型化し、低速ギヤをショートにしたことにより、MGU-Kから供給されるパワーが不足した影響が軽減されたのだ。

 規則では、マシンがグリッド上で停止している間は電気エネルギーの使用が禁止されており、スタート後マシンが時速50kmに達するまでバッテリーからエネルギーを使うこともできない。この制限は、大きめのターボを使用しているドライバーにとっては決して軽視できるものではない。ターボが理想的な回転速度に達し、過給圧を引き上げて効果的な加速を実現するまでに時間がかかるためだ。

 エネルギー不足は、もう一つの驚くべき問題を引き起こした。メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリをはじめとする一部のドライバーは電気ブーストがないため、リヤタイヤを温めるためのバーンアウト・シーケンスを完了できなかった。これにより、スタート時にホイールスピンを起こし、加速が鈍ってしまった。

「スタートは難しかった」とメルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは説明した。

「フォーメーションラップ中に限られたエネルギーをうまく管理できず、両ドライバーともゴールラインでバッテリー残量が少なくなってしまった」

「ドライバーたちはトラブルを避けるために素晴らしい仕事をしたが、順位を大きく落としてしまい、リカバリーモードに入らなければならなかった」

 1周目にポジションチェンジが頻繁に見られたのも当然と言えるだろう。一部のドライバーは、例えばリフト&コーストをより積極的に用いるなど、オープニングラップをアタックよりもバッテリーの充電に充てざるを得なかった。これにより、ラップを通してパワーとスピードに差が生じ、順位の変動がさらに激しくなった。

 しかし、なぜこれほど多くの車がエネルギーを蓄えられずにグリッドに並んだのだろうか? それは、フォーメーションラップにおけるエネルギー回生量の限界と、ドライバーがタイヤとブレーキを温める方法の両方に関係している。

 事前にタイヤをウォーマーで温められ、十分にバッテリーが充電された状態でピットを離れ、アウトラップでレース中よりも多くのエネルギーを回生できる予選と比較すると、フォーメーションラップは事情が異なる。

「フォーメーションラップでは、ドライバーが加速、ブレーキ、加速、ブレーキをかけてブレーキやタイヤを温めるという通常とは異なる動作を繰り返すため、レーススタートまでに適切な充電状態に到達できなくなってしまった。最初のラップでバッテリーレベルを回復させなければならず、それは当然ながら楽なものではない」とレッドブルのチーム代表であるローレン・メキーズは語った。

 ドライバーは通常、フォーメーションラップ中にかなりアグレッシブな運転スタイルを採用し、加速と制動を絶え間なく繰り返す。そのためバッテリーには大きな負荷がかかる。マシンが低速から高速へ繰り返し移行し、加速フェーズではエネルギー消費が大幅に増加するためだ。

 アルバートパークのように回生の機会が限られたサーキットでは、この連続サイクルは好ましくない。特に、2つの長いストレートに続くターン11のブレーキングゾーンが最後のエネルギー回生チャンスとなるためだ。最終セクターで速度を落とすと、エネルギー回生は著しく困難になる。

 またタイヤとブレーキを温めるため、ブレーキバランスはフロント側にシフトされることが多い。温めづらいフロントタイヤやブレーキに負荷を加えるためだ。メルセデスはそのために”ブレーキマジック”と呼ばれるスイッチをステアリングに用意していた。

 しかし、ブレーキバランスをフロントに寄せると、MGU-Kによるエネルギー回生量が減ってしまう。リヤのブレーキシステムはMGU-Kが減速の大部分を担って(つまり回生ブレーキを使っている)いるからだ。

 従来通りブレーキやタイヤを暖めるのに加え、エネルギーを細かく管理し、グリッドで過給圧を適切に引き上げる……フォーメーションラップの理想的な手順を見出すのは容易ではなく、複数のチームが予期せずグリッドに、バッテリーが空になった状態で到着する事態となった。

 次戦中国GPはスプリント開催。各チームはたった60分のフリー走行で通常のセットアップ作業に加え、予選アタックやレースラップでのエネルギーの使い方を確認しなければならない。それに加えてオーストラリアGPを踏まえ、スプリントレースと決勝、2度のスタートに向けてバッテリーの管理方法を詰めなくてはならないだろう。

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