八木達也の仕事の流儀

そんな八木さんが大事にするのは“バランス感覚”。それは、常に変化する形のない水の流れと巧みに調和しながら艇を走らせるカヤックの経験から、体に沁み込んできたものなのだという。
「何かをするときに、それっていいのか・悪いのか、バランス感覚的にどうなのかな、といつも考えるようにしています。ときにはどこかにやわらかに着地させるのも仕事」
このバランス感覚こそ、八木さんを理解するのに欠かせないキーワードかもしれない。
湯沢中里スノーリゾートやキューピットバレイはファミリースキー場かと思いきや、広大なツリーランエリアを開拓したり、キャットツアーをオペレーションしたり。ピースフルな日帰りスキーのイメージがある舞子スノーリゾートにエキサイティングなFWT (Freeride World Tour)の Qualifier大会を呼び込んだり。どうして?と思わせる意外性にあふれた展開が、スマイルリゾートにはある。
ファミリー層とコア層、自由を求めるユーザーと安全を守る責任、上がダメなら下に延ばしたリフト、無駄な投資をせずに持っている資源を有効活用したキャットツアー、山中にレストランではなく走らせたキッチンカー…。八木さんの施策は、すべて絶妙のバランスの上に生まれた「あるべき姿」ではないか。
「でも、一番根っこにあるのは、僕が滑り手でいたいからだと思うんです。要は、自分が滑りたいわけです(笑)。でも、滑り手でいることってすごく大事だと思っているんです。滑り手でいることで気づくことって絶対にあると思うから」
滑り手が経営者のスキー場は、だからおもしろい。
執行役員、八木達也の仕事の流儀。
八木さんは、今日も朝一番のトラックを刻む。
朝陽のなかに見ているのは、スマイルリゾートを訪れるゲストや、ともに働くスタッフたちの"いい笑顔″ではないか。
Edited by Chise Nakagawa
Information
スマイルリゾート
公式サイト:https://www.smile-resort.com/
