スーパーGTに参戦するTGR TEAM KeePer CERUMOは、石浦宏明のGT500勇退により小林利徠斗が加入。大湯都史樹とのコンビは、今季のGT500で最も若い組み合わせとなった。
長らく立川祐路と石浦のベテランコンビでスーパーGTを戦っていたCERUMOも、この数年でチーム全体が一気に若返った。立川が引退し監督となった2024年には後任ドライバーとしてスピードスター大湯を迎え入れ、さらに若手の岡島慎太郎エンジニアも加入したことでレースウィークのオペレーションも大きく変わったという。これについて石浦は昨年、「チーム全体の雰囲気も良くなって、全体的にこれまでと違うチームかのようになっている」と話していた。
その結果CERUMOの石浦、大湯組は、2024年にランキング4位、2025年にランキング3位を獲得。強さを見せるトヨタGRスープラ勢の中でも特に存在感を放つようになっていた。
そんなチームに今季、新たなピースが加わった。石浦の後任として小林が加入したのだ。ただ小林は昨年までGT300で戦っており、GT500はルーキーイヤー。それでも立川監督は、今シーズンを“育成の1年”にするつもりはないという。それほどに、20歳のルーキーへ期待を寄せている。
「今は大湯がエースですが、彼には大湯を脅かすくらいの走りを期待しています。そういうつもりで彼を迎え入れています」と、立川監督は語る。
「決して育てるために入れているのではなく、勝つための選択として入れています。彼の出来次第ではチャンピオンを狙えるところにいけると思っているし、そこにかかっています。期待は大きいですね」
また、ベテラン石浦が抜けた今季は、車両のセットアップ作業は必然的に大湯が先導する形となる。ただそこは昨年の段階で大湯中心のクルマづくりにシフトしていたとのことで、問題はなさそうだ。
独特な言動など、個性的なキャラクターでも注目を集める小林。「うちはもうひとりも個性的と言えば個性的ですからね(笑)」と苦笑する立川監督は、「お互いマイペースですが、利徠斗は意外に自分というものを持っていて、頑固なところもあるし、意思の強さはありますね」と小林の性格を表現した。
前述の通り、小林の出来次第ではタイトルも狙えると話した立川監督だが、そのためにはやや慎重派でもある小林の“慣れるスピード”がひとつ鍵になってくると語る。
小林はスーパーフォーミュラ初ドライブとなった2024年末のルーキーテストや、同じくスーパーフォーミュラで初のウエット走行となった先日の合同テストなど、未知数な部分の多い走行では慎重に走り、他から遅れたタイムで周回する傾向にある。その後はしっかりアジャストしてタイムを出してくるあたりはさすがと言えるが、今後は習熟に時間をかけられないシチュエーションも出てくるだろう。
立川監督は小林について「見た目の印象と違って、ハンドルを握ると人が変わるというか、結構すぐに乗りこなす」としつつ、こう付け加えた。
「ただ意外に慎重派なところもあって、決しては無茶はせずに着実にステップを踏むタイプですね。全てのコンディション、シチュエーションでテストができるわけではないので、慣れるスピードを早くしていかないとGTで1年戦う上では難しいと思いますし、その辺はまだまだこれからかなとは思います。とはいえこれまでのレースを見ても、行く時は行くと思うのであまり心配はしていませんが」
なお、先日岡山国際サーキットで行なわれた公式テストでは、連覇中の王者36号車au TOM'S GR Supraに次ぐ総合2番手タイムを記録するなど好調なKeePer CERUMO。GT500でも屈指の個性派コンビ、その化学反応やいかに。

