大相撲春場所4日目は大波乱の展開だった。初日から3連敗していた横綱・大の里が「左肩関節脱臼で3週間の安静加療を要する」として休場。出場した横綱、大関も全て敗れてしまったのである。
大関・安青錦は美ノ海の寄り倒しに屈し、早くも2敗。横綱昇進に暗雲が垂れ込めてきた。八角理事長は「相手が安青錦の嫌なところを分かってぃている」との分析をしてみせたが、
「支度部屋では風呂から上がった後に取材に応じて『また切り替えて明日、思い切り頑張りたい』と語りました。しかしその後は、報道陣を制しています。数字の上では、序盤で2敗して横綱に昇進したのは、1959年の朝潮しかいないんです」
それにしても、見どころある攻防だった。互いに低い態勢からの攻めで、安青錦は突きを見舞い、右のど輪で美ノ海を攻めた。安青錦のペースかと思いきや、左から押っ付けられて上体を起こされると、一気に劣勢に転じた。まわしを取れず、相手を呼び込んでしまう。そのまま寄り倒され、苦杯を舐めた。
「このまま諦めてしまうのか、それとも反転して勝ちを重ねるのか。安青錦は今までやってきたことを出すだけと言っているが、それは本人次第。信念を貫けるかどうかにかかっている」(相撲部屋関係者)
新大関の2025年九州場所で初優勝を飾ると、2026年春場所で連覇を達成。初土俵から所要16場所で横綱昇進となれば、年6場所制になった1958年以降、朝青龍の25場所を大幅に更新することになるが…。
「安青錦がいずれ綱取りを成功させるのは間違いない。ここは最速記録より、不動心で勝負に臨むにはどうすべきか、みたいなテーマで土俵に上がった方がいい」(相撲協会関係者)
このままズルズルといかなければいいが。
(蓮見茂)

