
2024年に実写化され、圧倒的な再現度と迫力で話題を呼んだ映画『ゴールデンカムイ』。明治末期の北海道を舞台に、アイヌの埋蔵金を巡る壮絶なサバイバル・バトルが描かれ、原作ファンからも高い評価を集めた。映画公開後には連続ドラマも放送され、現在は各種動画配信サービスで配信中だ。そしてシリーズ最新作となる映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』が3月13日(金)に全国公開される。
物語の舞台は、シリーズ最大の山場・網走監獄。公開を前に、“不死身の杉元”こと杉元佐一を演じる山崎賢人にインタビューを行い、スケールアップしたアクションや今作ならではの見どころ、撮影の舞台裏について聞いた。
■原作ファンにも人気のシーンは「みんな楽しんでやっていましたね」
――今作もほぼスタントなしでアクションシーンに臨まれたそうですが、さらに進化した“不死身の杉元”をどう作り上げていきましたか?
今回アクション監督さんが下村(勇二)さんから和田三四郎さんに代わったのですが、前作からの流れは変えることなく、とにかく杉元の硬くて重い拳というのを、一発一発すごく意識していきました。
二階堂(柳俊太郎)に刺されるシーンでも動じない杉元だったり、網走監獄に行って、アシリパさん(山田杏奈)の父親かもしれない「のっぺら坊」に会うという目的がある中でのアクションだったので、とにかくその目的に向かって無我夢中で戦っていくということを意識していました。
――和田さんからは「ゴリラ感が欲しい」と言われていたそうですが…?
力量、パワーのことですね。一回アクションしてみて、もう少し荒さやパワーが欲しいときに、「もう少しゴリラ感を出そうか」って。アクション監督を含め、この作品チームの一つの“共通言語”で、杉元のパワー感を出す表現としては、すごく分かりやすい例えでした。
――激しいアクションや、いざ監獄へ!というハラハラドキドキするシーンの合間にもコミカルな場面がしっかり盛り込まれていました。出演者から生まれたアドリブシーンなどはありましたか?
もちろん相談し合ったりすることや、細かいアドリブなどはあります。矢本(悠馬)くんがコミカルなシーンは率先していろいろやってくれるんですよ。今回も現場では気付かなかったけど、完成した本編を見てから、「こんなことやってたんだ(笑)」って知って、笑ってしまったアドリブもありました。
――コミカルといえば、冒頭から原作ファンにも人気の「ラッコ鍋」シーンもありました。
みんな楽しんでやっていましたね。ラッコの肉を食べて、ちょっと変な気持ちになっちゃう…その加減をどう表現したらいいのかっていうのをみんなで考えていました。無駄に声出してみるとか(笑)。
細かい動きも監督がこだわってくださったり、演じながらみんなで笑い合ったり、「これでいいのかな?」という探り探りの中でしたけど、楽しみました。
完成した映像を見てみると、その裏でアシリパさんとインカラマッ(高橋メアリージュン)とのちょっとシリアスなシーンがあって、ラッコ鍋のシーンに切り替わって…その緩急というか温度差が、面白かったですね。
――そこからガラッとかわってついに網走監獄襲撃となりますが、網走監獄のセットでの撮影はいかがでしたか?
原作で見たままだし、実在の網走監獄を忠実に再現したもののような感じがして、クオリティーの高さにビックリしました。そのリアルさがあったからこそ、俳優陣たちもすごく入り込みやすかったんだと思います。
■撮影の合間には「みんなで体を鍛えに行くことも」
――多くのキャストが入り乱れる、囚人の乱闘シーンも圧巻でした。
セット自体は広かったんですけど、やっぱりあれだけの大人数が入ると狭くて。そういう中でのアクションは結構大変でしたね。
――原作の前半部分でもある第一部・完結編ともいえる、壮大なシーンの連続でした。
第七師団が出てくるところとか、すごいクオリティーですよね。一作目から登場人物もどんどん増えてきて、全員が「のっぺら坊」に会うっていうところを目指していたので、その「のっぺら坊」がいる「網走監獄襲撃」というところへの盛り上がりは、かなり高まっていると思います。
――映画第1弾からドラマ版を経て仲間も増えてきましたが、共演された方々との交流はありましたか?
地方ロケも多いので、みんなでご飯に行くことも多かったです。ロケ地では、おいしいご飯屋さんとか温泉をおすすめし合うということもありましたね。
あとは、みんな仲いいから一緒に体を鍛えに行くことも。ジムで鍛えて、そのままご飯に行くということもありました。大谷(亮平)さんとかは「いや~あんまり鍛えてない」とか言いながら、ラッコ鍋のシーンで脱いだらムッキムキで(笑)。和気あいあいと、みんなで楽しかったですよ。
――シリーズを重ねてきたことで生まれた絆が、今作にも表れていると感じました。谷垣(大谷)とインカラマッの関係など、登場人物同士の人間愛も伝わってきますが、その点についてはどう感じましたか?
『ゴールデンカムイ』って、シリアスもあればコミカルさもある…いろんな要素がありながらも一つにまとまっているというのが、毎回すごいなと。映画、ドラマを経て、関係性を築き上げてきたからこそ、変化してきたアシリパさんと杉元の関係が、セリフからも読み取れるようになっている気がして。
シリーズを続けてきたからこそなんだと思いますが、今回は全然戦わないところでの谷垣とインカラマッ、チカパシ(青木凰)の人間愛みたいなものが、魅力的に描かれてるんだなと思いましたね。そういうところは、見ている方にも気持ちが伝わればうれしいです。

■山崎が勝ち取りたいものは“ネギタン塩”「絶対、奪いに行きます(笑)」
――そんな人間愛が描かれながらも、終盤にはどんでん返しが…。
そうなんです。そこはやっぱり、みんな金塊を目指しているという目的がきちんとあって、それが“裏切り”として人間の怖さを描いている。本当にどのシーンを切り取っても面白いなって思いました。
――『ゴールデンカムイ』をはじめ、アクションしかり、実写化不可能への挑戦など、相当な熱量を持って臨まないと難しい役を多く演じられていますが、山崎さんの原動力は何でしょうか?
やっぱり作品が大好きですし、一緒に作り上げてくださるスタッフとキャストの人たちも大好きで、そんな方々と一緒にやれているというのがすごく楽しいし幸せなこと。それが原動力ですね。
絶対にいいものにしたいなという思いがあるし、続けていきたい。それに、たくさんの方に見ていただいて楽しみにしてもらっているというのもすごく大きいですよね。皆さんからの熱い声は届いていますから、本当にありがたいです。
――最後に、金塊争奪戦に身を投じる『ゴールデンカムイ』にちなんで、「これだけは争奪戦になっても勝ち取りたい!」というものは?
ネギタン塩! 何で、こんなにタンにはネギが合うんだろうって思います(笑)。そろそろ焼けるぞ、食べられるぞ!ってときにネギを載せて、そのまま両サイドをお箸で持ち上げて、レモンを付けてガブって…。もう最高です。絶対、奪いに行きます(笑)。
◆取材・文=neneko
※山崎賢人の「崎」は、タツサキが正式表記
※柳俊太郎の「柳」は「『柳』の異体字」が正式表記
※アシリパの「リ」は小文字が正式表記
※インカラマッの「ラ」は小文字が正式表記

