先日のF1開幕戦オーストラリアGPで、9位入賞を記録したアウディのガブリエル・ボルトレト。彼はアウディ製パワーユニット(PU)のポテンシャルを信じてやまない。
旧ザウバーを買収し今季からF1にワークス参戦しているアウディは、シャシー・PU共に自社開発での参戦。開幕からいきなり入賞を記録してみせたことは好材料だったが、ドイツのノイブルクで製造されたPUの弱点がいくつか露呈した。予選・決勝でふたりのドライバーにメカニカルトラブルが発生し、ニコ・ヒュルケンベルグに至っては決勝を走ることができなかった。
アウディは1月にバルセロナで行なわれたシェイクダウンテストでいくつかの初期トラブルに見舞われたが、これらは2月のバーレーンテストの際にはほとんど解決していたという。ボルトレトはまだアウディPUに欠点があることは理解しつつも、最終的にライバルに追い付けることを確信しているという。
「そこに全く疑いはない。いつそこに到達できるかは言えないけど、必ず追い付けると言える」
「今年なのか来年なのかは分からない。でも将来、トップクラスのエンジンメーカーのひとつになると信じている」
「なぜパワーが足りないのか、その理由は理解している。あとは学びながら作業していくだけだ。15年間この分野に取り組んできたチームもある一方で、僕たちはエンジンを作り始めてまだ1年目なんだから、簡単ではないよ」
アウディのチーム代表を務めるジョナサン・ウィートリーは、以前レッドブルでスポーティングディレクターを務めていた人物。レッドブルは当時ホンダ製PUを搭載していたが、ホンダはF1参戦第4期で困難なスタートを切りながらも、最終的にはレッドブルと共に黄金時代を築いた。
ウィートリーは、現在のハイブリッドのエンジンはまだ発展途上にあり、今後数年で大きく進化していくと強調した。
「すべてのチームを見ても分かるように、我々はこの技術規則の初期段階にいる。これは私がこのスポーツに関わってきた中で最大の技術レギュレーション変更であり、おそらく史上最大かもしれない」
「(2026年)開幕戦のマシンと、2030年、あるいは2027〜2029年の開幕戦のマシンはまったく違うものになるだろう。より洗練され、エンジンが効率的になるにつれて、レースはより接近したものになる」
「今はまだレギュレーションの初期段階に過ぎない。だからパワーユニットを含め、マシン全体を継続的に開発していくしかない」
2026年のPU規則は、遅れているメーカーがトップとの差を縮めるチャンスを与えるものとなっている。ADUOと呼ばれる救済制度の下、6レースごとに各メーカーの性能が評価され、エンジンパワーがトップから2%〜4%不足しているメーカーは1回、それ以上不足しているメーカーは2回のアップグレードが可能となる。
現状、2026年の第6戦はマイアミGPの予定だが、中東情勢の影響でバーレーンGPとサウジアラビアGPが中止の危機にあり、今後カレンダーが大きく変更される可能性がある。
そうなれば、アウディのアップグレード計画も複雑になるかもしれない。ウィートリーはこう語った。
「現時点ではその2レースは開催予定であり、そこに集中している。6レースごとにFIAがADUOを見直すが、今の段階ではまだ判断するには早すぎる」
「マシンがラップ中にエネルギーをどう使い、どうオーバーテイクするかを見るのは非常に興味深い。レース後にガビ(ボルトレト)が言っていたが、体力的だけでなく精神的にもとても消耗するらしい。パワーの使い方と回生のやり方を常に考えないといけないからだ」
「それを本当に活用できるかどうか理解するには、まだ少し時間がかかると思う」

