
【北中米W杯出場国紹介|第24回:カタール】難敵相手に1勝も難しいミッション。少しでも主導権を取れる形に持っていきたい
自国開催だった前回に続く2回目、つまり初めてアジア予選を勝ち抜いてW杯の本大会に出場するカタール。ただ、アジアカップを連覇して臨んだ予選は大苦戦。いきなりホームでライバルのUAEに敗れると、4試合目でイランに敵地で1-4の大敗を喫した。
次の試合で好調のウズベキスタンに3-2の勝利を飾ったが、UAEに0-5の惨敗。絵に描いたような守備の崩壊で、チームは危機的な状況に陥った。
マルケス・ロペス監督は解任されて、昨年の3月シリーズはルイス・ガルシア監督に託されたが、北朝鮮にはホームで勝利も、アウェーでキルギスに3失点で敗れたことで、2試合を残してストレートインが消滅した。
QFA(カタールサッカー協会)は6月シリーズを前に、プレーオフを見据えて再度、監督交代に踏み切る。かつてスペイン代表やレアル・マドリー、プレミアリーグのウェストハムを率いたフレン・ロペテギ監督だ。
すでに予選突破を決めていたイランに1-0で勝利したが、最終戦は2位のウズベキスタンに0-3の完敗。4位で6か国によるプレーオフに回り、当時のFIFAランキングに基づいて、カタールとサウジアラビアがポット1に。
A組でUAE、オマーンと一緒になったカタールは“自国での集中開催”という大きなアドバンテージを活かし、1勝1分けで本大会への出場を決めた。ライバルからすれば理不尽なレギュレーションかもしれないが、退場者を出しながらも2連敗していたUAEにリベンジして、世界行きを決めたのは立派だ。
ロペテギ監督は4バックをベースとし、試合によって4-4-2、4-2-3-1、4-1-4-1を使い分ける。大黒柱のアクラム・アフィーフ(アル・サッド)は幅広く攻撃に関わりながら、大事なところでゴール前に顔を出す。
前線には身体能力の高いアルモエズ・アリ(アル・ドゥハイル)や前回大会で唯一の得点者でもあるガーナ生まれの長身FWモハメド・ムンタリ(アル・ガラファ)、技巧的なウイングのエジミウソン(アル・ドゥハイル)がおり、ロペテギ監督はシステムに応じてアタッカーを使い分ける。
中盤で攻守のバランスを取るのはアッシム・マディボ(アル・ワクラ)だ。ジャッセム・ガベル(アル・ラーヤン)は24歳ながら、前回W杯も経験したハイスケールなボランチで、高水準のスピードとセンターバックも担える対人戦の強さで、相手の起点を潰す。
モハメド・ワッド(アル・シャマル)は左利きの大型MFで、サイドバックとのポリバレントでもある。彼らからいかに良い形で、アフィーフやアリにパスが渡るかで、カタールの得点力が決まってくると言っても過言ではない。
最終ラインはポルトガル出身のベテランDFであるペドロ・ミゲウ(アル・サッド)とブーアッラーム・フーヒ(アル・サッド)という二人のベテランが頼りになる存在だ。守備はもちろん、UAEとのプレーオフでもセットプレーからアフィーフのキックに彼らが合わせる形で、二つの得点が生まれるなど、攻撃面での貢献度も高い。
ただ、ロペテギ監督もその後の強化試合で22歳のアル・フセイン(アル・アラビ・ドーハ)らを積極的に起用しており、本大会の開幕戦でどういうセットになるかは楽しみなところだ。
GKはプレーオフの2試合でゴールマウスを守ったモハメド・アブナダ(アル・ラーヤン)が一歩リードしている感もあるが、機動力の高いメシャール・バルシャム(アル・サッド)も起用されており、本大会まで読みにくい。
前回大会ではエクアドル、セネガル、オランダを相手に3連敗してしまった。今回は開催国のカナダと同組だが、強豪国のスイス、そしてイタリアを含む欧州プレーオフ・パスAの勝者が相手となる。
1勝を挙げるのも難しいミッションとなるが、ロペテギ監督が攻守のベースを引き上げながら、いかに対戦相手を研究して、少しでも多く主導権を取れる形に持っていけるか注目したい。
文●河治良幸
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