マイアミ・ヒートのバム・アデバヨが、現地時間3月10日に行なわれたワシントン・ウィザーズ戦でNBA歴代2位となる83得点をあげたことは、センセーショナルなニュースとして世界中を駆け巡っている。
同日はリーグ内の他の試合の会場でも、選手たちにアデバヨの記録についてコメントが求められた。
フェニックス・サンズに114-129で敗れた試合後、この快挙について聞かれたヤニス・アテトクンボ(ミルウォーキー・バックス)は、「素晴らしいよ。彼のハードワークの賜物だ」と3歳下のビッグマンを称賛。
43本という、これまたリーグ記録のフリースローを試投し、そのうち36本を積み上げたことを示唆されると、「どうやって点を取ったかなんて関係ない。肝心なのは何点取ったかだ」と、結果こそが大事であると強調した。
「10年、20年、30年先に、誰も彼がフリースローを何本打ったかなんて覚えていないさ。俺自身、コビー(ブライアント)のシュート数や、フリースローや3ポイントを何本決めたかなんて覚えていないが、81点取ったことは覚えている。そしてウィルト(チェンバレン)が100ってこともね」
さらにヤニスは、ヒート一筋9年目のアデバヨの献身さを挙げて、このように賛辞を贈った。
「チームを勝利に導く素晴らしい活躍だった。彼の家族や友人たちも、きっとものすごく喜んでいるし、誇りに思っているだろうね。繰り返しになるけど、これは彼の努力の賜物だ。バムのことはよく知っている。彼は毎日、本当に必死に取り組んでいる。手を抜いたりするようなことは一切しない男だ。そんな選手がこうした素晴らしい成果をあげるのを見るのは最高だ」
別の会場では、ミネソタ・ティンバーウルブスを120-106で下したロサンゼルス・レイカーズのルカ・ドンチッチが感想を求められていた。
「83点というのは、なかなかの数字だ。かなり凄いよ。彼を祝福したい」
ダラス・マーベリックス時代の2024年1月(対アトランタ・ホークス)にキャリアハイの73得点をマークしているドンチッチ。自身も80点超えを見据えているかと聞かれると、「どうかな。できるかもしれないし、できないかもしれない」と、現在得点ランクでリーグ首位(32.5点)に立つスコアラーは含み笑いを見せた。 サンアントニオ・スパーズがボストン・セルティックスを125-116で下した試合でゲームハイの39得点に11リバウンドと躍動したヴィクター・ウェンバンヤマは、アデバヨの高得点に刺激を受けるかと聞かれると、熟考しつつ、「まあ、そうだね。このリーグには、良い刺激を受ける機会が山ほどある。だから、そうだと言えると思う」と多くを語らず、落ち着いた様子で答えた。
一方、アデバヨの功績を「間違いなく伝説級。リスペクトを送りたい」と称賛しつつも、自軍のエースプレーヤーを引き合いに出したのは、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのケリー・ウーブレイJr.だ。
「効率の良さで言うなら、ジョエル・エンビードだ。彼は3クォーターでやってのけたからね」
2024年1月のスパーズ戦、エンビードは36分38秒の出場で70得点をマークしている。実際には第4クォーターにも出場しているが、41本中24本を決めたフィールドゴールの成功率は58.5%、フリースローは23本中21本を仕留めた。
41分54秒コートに立っていたアデバヨのフィールドゴール成功率は20/43で46.5%。得点などのスタッツを総合し、試合全体での活躍度・生産性を示すゲームスコアでも、アデバヨの60.5に対し62.5とエンビードが上回る。
さらには先述のドンチッチの73得点の試合のゲームスコアは64.0。歴代最高は、1990年3月にマイケル・ジョーダンが69得点、18リバウンドをあげた際の64.6だ。
しかしヤニスの言うように、ここは「83点」という数字を称えるべきだろう。
ちなみにウーブレイJr.はコビーの大ファンで、自身のアイドルの記録を追い越したことに「少し悔しい気持ちもある」とも語っていた。リーグの中には表明こそせずとも、彼と同じ気持ちを抱いた選手もいるかもしれない。
ゲームのテンポが上がり、ビッグマンも3ポイントを武器にするなど、昔に比べてハイスコアリングゲームになっている現在のNBA。それでも80点超えはそうそう飛び出す数字ではない。今回のアデバヨの快挙は、各球団の点取り屋たちを刺激することになるだろうか。
文●小川由紀子
ヒートのアデバヨがNBA歴代2位の83得点!フリースロー試投数・成功数ともに史上最多を更新しコビー超え<DUNKSHOOT>
コビーが大記録を樹立!伝説の81点ゲームは2006年の1月22日に生まれた【コビー・ブライアント名勝負:Part.1】
【画像】ジョーダン最後のオールスター、田臥勇太デビュー、コビー81得点……1999-2019 NBA名場面集

