
池脇千鶴さん(2008年9月4日、時事通信フォト)
【画像】「えっマジか」「派手に変わりすぎ」これが池脇千鶴さんの4年前のドラマ主役姿です(4枚)
池脇千鶴こそが「ばけばけ」女優?
のっぺらぼう、雪女、耳なし芳一……。日本に昔から伝わる怖い話を文学へと昇華させ、世界に紹介した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻・小泉セツをモデルにした、「朝ドラ」ことNHK連続テレビ小説『ばけばけ』が2025年9月29日から放送中です。
ヒロインとなる「松野トキ」を演じる高石あかりさんの笑顔が印象的なオープニングですが、トキの母親「フミ」を演じる池脇千鶴さんも、視聴者の間で早くも話題となっています。2002年に放映された朝ドラ『ほんまもん』のヒロインを演じていたころと、ずいぶんビジュアルが変わっているからです。
ふくよかな着物姿で、一家を明るく支えるお母さん役を自然に演じている池脇さんは、監督や俳優仲間からリスペクトされている「演技派」女優として知られています。そんな池脇さんが本領を発揮した代表作を振り返ると、『ばけばけ』とのビジュアルの違いに驚くのではないでしょうか。
大胆なラブシーンを演じた『ジョゼと虎と魚たち』
1981年大阪生まれの池脇さんが芸能界入りしたのは、CM「三井のリハウス」のリハウスガールとしてでした。初代リハウスガールは宮沢りえさんが務めるなど、美少女タレントを次々と輩出した人気CMでした。小動物を思わせるかわいらしい美少女として、池脇さんは芸能デビューをはたしています。
CM「三井のリハウス」を撮った市川準監督の『大阪物語』(1999年)で沢田研二さんと田中裕子さんが演じる漫才夫婦の娘を好演し、池脇さんは映画デビューを飾っています。さらに『ほんまもん』に主演し、知名度を高めていきます。
そのまま売れっ子路線を進むと思われていた池脇さんですが、人生の転機作と出会いました。犬童一心監督の『ジョゼと虎と魚たち』(2003年)です。田辺聖子さんの短編小説を原作にしたこの映画で、池脇さんは足が不自由な少女「ジョゼ」を熱演し、主演の妻夫木聡さんとリアルなラブシーンを演じてみせました。
池脇さんは演技が高く評価されただけではありません。「あの子はいい」と、当時まだ16歳だった上野樹里さんを犬童監督に推したことも知られています。自分が俳優として評価されること以上に、作品が最高なものになるよう常に考えていることが、この逸話から感じられます。
2020年には韓国でリメイクされるなど、『ジョゼと虎と魚たち』は今も恋愛映画の傑作として語り継がれています。

池脇千鶴さんが、綾野剛、菅田将暉らと共演した『そこのみにて光輝く』DVD(TCエンタテインメント)
