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前回金から4年、パラクロスカントリースキー川除大輝が最後まで示した王者の全力滑走

前回金から4年、パラクロスカントリースキー川除大輝が最後まで示した王者の全力滑走

雪面コンディションに苦しめられ

驚異の登坂力はミラノ・コルティナ大会の会場である「テーゼロ・クロスカントリースキー・スタジアム」でも観衆を魅了した。

テーゼロのコースには、イタリアの名選手の名にちなんだ通称「ゾルジ坂」と呼ばれる難所がある。急勾配の上りゾーンで、ここをいかに攻略するかが勝敗の分岐点と言われる。2月のミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックのクロスカントリースキーでは、ノルウェーのヨハンネスヘスフロト・クレボがこの坂で異次元の登坂技術「クレボステップ」を駆使し、金メダルに輝いた。

パラクロスカントリースキーの川除
photo by AFLO SPORT

「ゾルジ坂」が勝負のカギを握るのはパラリンピックも同じ。「大輝ステップ」とも呼べる高回転ステップを持つ川除にとっては、最大の見せ場でもある。

ただこの日、雪面のコンディションはこれまでに経験がないほど荒れていた。約2.5キロのコースを4周する10㎞クラシカル。川除は得意の上り坂でアドバンテージを握ろうとしたが、雪面が予想以上に崩れてザクザクな状態になっていた。スキー板の先端が雪にのめり込んだり、場所によっては足首まで埋まったりすることも。そのため、普段はほとんど転ばないという川除が2周目と4周目に合計2度も転んだ。

トップとの差は開いた。けれども、最後まで川除はあきらめなかった。

「過去に見ないぐらいの厳しい状況だったんですけど、その中でも自分の滑りはできたし、メダル争いにも絡むことができました。自分では調子もよかったし、いい滑りができたなと思います」

誰もが全力を出し尽くしたうえでの結果を、川除は正面で受け止めた。

金メダリストとして充実の4年間

前回の北京大会では、男子20kmクラシカル(立位)を制した。そして今回は、堂々の金メダリストとしてミラノ・コルティナ大会に乗り込んだ。この間にはワールドカップ総合優勝や世界選手権金メダル獲得があり、世界から注目される存在となっていた。川除自身も「自分に期待しましたし、メダルは獲らないと、と思っていました」と語る。

男子スプリントクラシカルに出場した川除
photo by AFLO SPORT

4年間、さまざまなものを背負いながら競技と向き合う時間であり、「金メダリストになってからの4年間は、濃い4年間だったと思います」としみじみ言った。

そして、「応援してくれる人たちに滑りを見て元気になってもらったり、頑張りましたというところが伝わればいいなと思います」と心からの思いを言葉にした。

それはどんな困難に直面しても決してあきらめず、やれる限りのことをやってきたエースの矜持だった。

edited by TEAM A
text by Yumiko Yanai
key visual by REUTERS/AFLO

配信元: パラサポWEB

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