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Tレックスの前時代にいた「巨大肉食竜」の化石を発見

Tレックスの前時代にいた「巨大肉食竜」の化石を発見

Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

恐竜界の王者として知られるティラノサウルス・レックス。

巨大な体と鋭い牙をもつこの肉食恐竜は、恐竜時代の最後に君臨した頂点捕食者としてよく知られています。

しかし、彼らよりも早い時代に、すでに巨大なティラノサウルス類が存在していたようです。

このほど、米ニューメキシコ州で発見された化石を分析した研究によって、約7400万年前の地層から巨大なティラノサウルス類の骨が見つかったことが明らかになりました。

この化石は、ティラノサウルスの祖先に近い恐竜の可能性があり、これまで考えられていたよりも大型ティラノサウルスの進化が早く始まっていたことを示す重要な手がかりかもしれません。

研究の詳細は英バース大学(University of Bath)により、2026年3月12日付で学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

目次

  • 7400万年前の北米にいた巨大ティラノサウルス
  • ティラノサウルスの起源をめぐる謎にも影響

7400万年前の北米にいた巨大ティラノサウルス

今回発見されたのは、恐竜の脛骨(すねの骨)です。

この骨はアメリカ・ニューメキシコ州北西部のカートランド層(Kirtland Formation)という地層から見つかりました。

年代は約7400万年前の後期カンパニアン期と推定されています。

【実際に見つかった骨の画像がこちら】

この時代の北米は現在とはまったく異なる姿をしていました。

大陸の中央にはメキシコ湾から北極へと続く巨大な内海が広がり、北米は東西に分断されていました。

今回の恐竜が暮らしていた地域は、この海の西側の海岸付近で、湿ったジャングルや森林が広がる環境だったと考えられています。

当時の生態系には、角を持つ角竜類、装甲を備えた鎧竜類、そしてアヒルのようなくちばしを持つハドロサウルス類などが生息していました。

植物も豊富で、針葉樹や被子植物、シダ、トクサなどが繁茂していたといいます。

そんな環境の中で、研究チームを驚かせたのが、この恐竜の骨の巨大さでした。

発見された脛骨の断片は長さ約90センチ、直径約13センチにも達します。

これは、これまで発見された最大のT. rex標本「スー(Sue)」の脛骨と比べても、わずかに小さい程度しかありません。

チームは骨のサイズから、この恐竜の全体重を約4.7トンと推定しました。これは大型のアフリカゾウのオスに匹敵する重さです。

このサイズは最大級のティラノサウルス類には及ばないものの、この時代としては異例に巨大な個体だったと考えられています。

ティラノサウルスの起源をめぐる謎にも影響

研究者たちは、この骨の形状にも注目しました。

骨の軸はまっすぐで非常に頑丈であり、足首側の端が広い三角形状になっています。これはティラノサウルスの脛骨とよく似た特徴です。

同じ地層からは、別のティラノサウルス科恐竜、ビスタヒエヴェルソル(Bistahieversor)の化石も知られていますが、この恐竜は今回の個体よりもかなり小型でした。

また骨の形状も一致しません。

そのためチームは、この巨大恐竜がティラノサウルスにより近い系統の恐竜である可能性が高いと考えています。

さらに、この恐竜はティラノサウルス族(Tyrannosaurini)と呼ばれるグループの初期メンバーである可能性もあります。

この発見は、長年議論されてきたティラノサウルスの起源にも関係してきます。

一部の研究者は、ティラノサウルス類はアジアで誕生したと考えています。

一方で、北米、特に当時の西部大陸ララミディア(Laramidia)南部で進化したとする説もあります。

今回の巨大ティラノサウルスは、地質学的に非常に古い時代に北米で存在していた大型個体であるため、後者の「北米南部起源説」とも整合的だと研究者は指摘しています。

ただし現時点で見つかっている化石は、たった1本の骨だけです。そのため、この恐竜が新種なのか、どの種に属するのかはまだ確定していません。

研究者たちは、歯や骨、あるいは理想的にはまとまった骨格化石が見つかることで、この恐竜の正体がより明らかになると期待しています。

参考文献

Giant Tyrannosaur Discovered in North America Is The Largest of Its Era
https://www.sciencealert.com/giant-tyrannosaur-discovered-in-north-america-is-the-largest-of-its-era

‘Unusually large’ tyrannosaur leg bone points to 10,000-pound behemoth
https://www.popsci.com/science/large-tyrannosaur-leg-bone/

元論文

A large tyrannosaurid from the Late Cretaceous (Campanian) of North America
https://doi.org/10.1038/s41598-026-38600-w

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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