ホンダ・レーシング(HRC)はメモラビリア事業の新たな試みとして、F1エンジンの部品と宝石などを組み合わせたアートジュエリーを発売開始。3月13日(金)には報道陣向けのお披露目会が実施された。
ホンダは昨年、ホンダのモータースポーツの歴史を彩った車両やエンジンのパーツなどをコレクション化し、世界中のレースファンに提供することを目指してメモラビリア事業を開始。その第一弾として、1990年のF1を戦ったマクラーレン・ホンダMP4/5Bに搭載されていたホンダRA100Eエンジンを分解・ディスプレイし、オークションに出品した。
そしてこの度、そのRA100Eエンジンが新たな形でファンへと届けられる。ジュエリーアトリエとコラボすることにより、なんとアートジュエリーとなって販売されるというのだ。
HRCは昨年分解したRA100Eエンジンが、動態保存できる状態に戻せなかったのだと説明。ホンダにとって、自社で開発したエンジンは動態保存をしておくことが最も存在意義を出せる……そういった思いもあるが、それもできなくなった中で、活用の方法を思案していたという。スペアパーツとして保管するのか、それとも廃却か……そんな中でとあるHRC社員の発案により、ナット等の一部パーツをジュエリー化することにしたのだという。
これまでエンジンパーツをジュエリー化している事例はなく、ハードルは高かったが、ジュエリー製造のメッカである山梨県甲府市のB.L.S社とコラボすることで、ジュエリー化が実現したのだという。価格帯としては現状幅広く想定しているというが、約10万円〜になるとのことだ。
B.L.S社の担当者はこの異色のコラボについて、本来であればジュエリーは表面の傷など御法度であるところ、エンジンパーツの傷は戦いの証であることから、あえて前面に出すことでストーリー性を持たせていると説明。このジュエリーの展開を通して「挑戦する人の原動力になってほしい」と述べた。
発表会には、RA100Eを搭載して戦っていた1990年のマクラーレンで、ゲルハルト・ベルガーのエンジンエンジニアを務め、ホンダF1第4期ではテクニカルディレクターも務めた田辺豊治氏が登場。「箱に入って倉庫にあったものが、ファンの方の手に渡り、思い出を共有できることは素晴らしいことだと思います」として、個人的にも「こうやって目の前に部品が出てくるのは、感慨深いものがありますね」としみじみ語った。

