
終盤戦を迎えたバルサの会長選。ソシオの心を動かすのはクラブのガバナンス能力ではなくチームの順位表「解任の恨みを抱くシャビが現職陣営を揺さぶろうとしても…」【現地発】
ジョアン・ラポルタが1月22日に、シーズン佳境での会長選挙公示という異例の決断を下したのは、誰よりもハンジ・フリック率いるチームを信頼し、その成功に自らの命運を懸けているからに他ならない。
3月15日の投開票に向けた選挙戦は、カンプ・ノウの改修工事の影響でソシオが集結する機会が減少し、反対勢力の動きが鈍くなっている現状や、郵便・電子投票の見送りといった現職優位の情勢に包まれているが、最終的にソシオの心を動かすのは、クラブのガバナンス能力ではなく、チームの順位表である。
現在バルサはラ・リーガで首位を快走し、チャンピオンズリーグ(CL)でニューカッスルとラウンド16を戦い、スーペルコパ・デ・エスパーニャ決勝で宿敵レアル・マドリーを粉砕(3-2)。コパ・デル・レイ準決勝のアトレティコ戦では、2戦合計3-4とあと1点届かず敗退となったものの、最後まで全力を振り絞った選手たちに対し、カンプ・ノウの観衆は惜しみない拍手を送った。
かつての2003年や2021年の選挙とは異なり、今のラポルタにはベッカム獲得のような空虚な公約も、リオネル・メッシを繋ぎ止めるためのバーベキューも必要ない。彼が提示するのは、フリックの確かな手腕と、ラ・マシアという枯れることのない源泉、そしてデコによるスポーツ部門の舵取りといった目に見える現実だ。
対立候補のビクトル・フォントは、この厚い壁を前にして、攻撃の糸口を見出せずにいる。シーズンの真っ只中に補強の議論を持ち出すのはあまりに空々しく、監督解任の恨みを抱くシャビがメッシという巨大な偶像を介してラポルタ陣営を揺さぶろうとしても、チームの快進撃がそのすべてを黙らせている。陣容がほとんど変わらない中で鮮烈な回答を示し続ける後任を前に、シャビに勝ち目はない。
バルサという巨大な一家は、ジョゼップ・ルイス・ヌニェスとヨハン・クライフの時代から続く「イズム」の争いに常に身を焦がしてきた。現在、その中心にある未完の負債は、他ならぬメッシだ。多くのソシオは、10番が涙とともに去ったあの日以来、銅像や記念試合以上の、より根源的な精算をすべきだと感じている。
しかし、過去の犠牲者を呼び戻して傷を癒やすことが、ラミネ・ヤマルら新世代が躍動する今のバルサにとって最適解とは言い難い。フォントがデコの更迭を公言していることも同様だ。フリック自身がラポルタとデコへの全幅の信頼を口にしている以上、その主張は説得力を欠く。
こうした喧騒は、シーズンを左右する重要な試合が続くチームにとって決して好ましいものではないが、フリックのチームが放つ自信がそれを打ち消している。ラポルタは、選挙を招集した時点で確信していたのだ。
ボールがネットを揺らし続ける限り、ソシオがガバナンスの問題に耳を貸すことはまずない。2015年、3冠達成を盾にしたジョゼップ・マリア・バルトメウが、他ならぬラポルタ自身を打ち破った事実が、それを何よりも雄弁に物語っている。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
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