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またも困難からスタートした第5期ホンダF1。4期率いた田辺氏がエール「あの状況を突破してきたメンバーがいる。自分たちの技術を信じて」

またも困難からスタートした第5期ホンダF1。4期率いた田辺氏がエール「あの状況を突破してきたメンバーがいる。自分たちの技術を信じて」

3月13日に行なわれたホンダ “メモラビリア”の新作発表会に、ホンダF1の元テクニカルディレクターである田辺豊治氏が登壇。自身が携わった第2期、第4期の思い出を語ると共に、今季から始まった“第5期”を戦うスタッフにもエールを送った。

 田辺氏は、ホンダF1が第2期活動中だった1986年からグランプリの現地に派遣され、1990年からはマクラーレン・ホンダのゲルハルト・ベルガー担当のエンジンエンジニアを務めた。その当時使われていたホンダのRA100Eエンジンの部品を使ったアートジュエリーが、メモラビリア企画の一環として発売されるということで、ゆかりのある田辺氏がイベントに招かれた形だ。

■今も心にしまう、ベルガーからの言葉

 当時はドライバーと直接コミュニケーションをとりながら、ドライバビリティなどのフィードバックを受け、データ等と照らし合わせてギヤレシオやエンジンの調整を行なう仕事をしていたという田辺氏。この頃は予選用エンジンも存在し、レースウィーク中に別のエンジンに載せ替える仕事がある中、サーキットの気圧や湿度なども考慮しながら、燃料流量や点火時期などの微調整に汗を流していたという。

 また当時共に仕事をしていたベルガーの人柄については、次のように語った。

「非常に人懐っこく、肩を組んで『タナベ、タナベ』と話しかけてくるようなドライバーでした」

「それでいて、自分の要求はしっかりと伝える。ただ偉そうな感じもなく、冗談まじりというか人懐っこい雰囲気で言ってくるような、良いキャラの優しいドライバーでしたね」

 そんな田辺氏は一時インディカー担当に回っていた時期もあるが、2018年からホンダF1のテクニカルディレクターとしてグランプリにカムバック。F1第4期活動中だったホンダはマクラーレンと共に厳しい3シーズンを過ごしたが、2018年からトロロッソ(現レーシングブルズ)に供給先をスイッチ。2019年にはレッドブル・レーシングにも供給を拡大し、オーストリアGPではマックス・フェルスタッペンの手によって第4期初優勝を手にすることになる。その後のホンダ製パワーユニット(PU)の快進撃は周知の通りだ。

 2019年のオーストリアGPでは、チームの指名により急遽田辺氏がコンストラクター代表として表彰台に上ることなり、フェルスタッペンと美酒に酔った。この時の表彰式プレゼンターは、奇しくもオーストリア人のベルガーだった。

「まさかベルガー選手が出てくるとは思っていませんでした。彼が私の前に来て、ハグをしてくれたのは嬉しい瞬間でした」と田辺氏は言う。

「その時、彼が耳元でひとこと囁いてくれました。もったいぶるわけではないですが、その言葉はまだ誰にも話していません」

「自分たちの技術を信じて」

 ホンダは2021年限りでF1を撤退し、2022年以降はHRC(ホンダ・レーシング)がレッドブル系チームへのPU製造・供給を請け負うという形でF1に関与してきたが、2026年はアストンマーティンとのタッグで正式にF1再参戦を果たした。

 ただアストンマーティン・ホンダの船出は非常に厳しいものとなっている。開幕前テストから異常振動の問題が発生し、ライバルの半分以下の周回数となってしまったのだ。振動により損傷したバッテリーの在庫不足に見舞われたことも追い討ちをかけ、開幕戦は2台揃ってレースディスタンスを走り切ることができなかった。

 エンジンというものは多かれ少なかれ振動を起こすものであり、PUが振動の発生源であることは確かであろう。しかしその振動が異常なレベルにまで発展する背景には様々な要因があると考えられる。実際、この問題はホンダだけで取り組んでいることではなく、アストンマーティンのエンジニアが栃木県にあるHRC Sakuraにやってきて共に問題解決に取り組んでいることが明かされている。

 懸命な作業の甲斐もあり、振動の問題については進展が見られていると、現在ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャーを務める折原伸太郎エンジニアも語っている。とはいえ、アストンマーティンとホンダのタッグは厳しい船出になっているのは間違いない。

 今もHRCに籍を置き、4輪レース部開発室のチーフエンジニアを務める田辺氏に、折原エンジニアをはじめとする第5期メンバーへのエールについて尋ねると、第4期でも厳しい状況を打破して成功を収めたことを引き合いに出し、「自分たちの技術を信じて」欲しいと語った。

「正直なところ、非常に旗色の悪い状況ではありますが、新しく加わってきたメンバー含めて、ホンダの社員として“レースはホンダのDNA”というものが染み渡っています」

「第4期の時にあの状況を突破してきたメンバーがやっています。最終的にどこに辿り着くのかはこれからのことになりますが、自分たちを信じて、自分たちの技術を信じて、とことん挑戦してほしいです。苦しい中ですが、やってほしいなと。やれ!という感じですね(笑)」

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