メルセデスF1チームがライバルチームであるアルピーヌの株式を取得する意向であることを、アルピーヌを率いるフラビオ・ブリアトーレが認めた。
俳優のライアン・レイノルズやロブ・マクエルヘンニー、プロゴルファーのロリー・マキロイなどが関わっている投資会社のオトロ・キャピタルは、アルピーヌF1チームの株式の24%を保有しており、以前からその株式の売却を目指していた。
その候補者には元レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーらの名前が挙がっていたが、新たにメルセデスのトト・ウルフ代表の名前が浮上した。
しかしその交渉主体はウルフ個人ではなく、メルセデスだとブリアトーレは中国GPの金曜記者会見で認めた。
「毎日状況は変わっている。ただ言いたいのは、交渉はメルセデスと行なわれているということだ。トトではなくメルセデスだ。今後どうなるか見ていくことになる」
「現時点では、3~4の潜在的な買い手がいる。忘れてはいけないのは、これはオトロの株式の話であって、アルピーヌとは関係ないということだ。取引を行なう準備ができている候補は何人かいる」
オトロ・キャピタルは2023年にアルピーヌの株式を2億3300万ドル(当時の約312億円)で取得した。しかしF1チームの価値が上昇し続けていることから、今回の取引額はそれより高くなる可能性がある。アルピーヌのチーム評価額は当時から2倍以上に増え、現在は30億ドル(約4780億円)に達している。
自らその株式を購入するつもりはないのかと尋ねられると、ブリアトーレは否定した。
「いや、いや、いや。私はただ何が起きているのかを見ているだけだ。現時点ではオトロとのコミュニケーションはない。だから誰かがその株を買うなら、我々としてはとても嬉しい」
アルピーヌは2025年限りで独自のパワーユニット開発プログラムを終了。2026年からメルセデスのカスタマーチームとなっている。これは、ブリアトーレがアドバイザー兼事実上のチーム代表としてチームに復帰する条件として求めたものだった。
もしメルセデスが株式を取得した場合、メルセデスとアルピーヌとの関係が強化され、事実上の兄弟チームのようになる可能性もある。アルピーヌの運営やF1委員会での投票に影響が及ばないと保証できるかと問われると、ブリアトーレはこう答えた。
「そうだと思う。レッドブルはこの10年、あるいは15年で、すでに2チーム体制の先駆者になっている。そしてメルセデスが買おうとしているのはオトロの24%だ。普通の会社では75%が決定権を持ち、25%は傍観者のようなものだ。それが現実だ」
会見に同席し、この件について質問されたアウディのジョナサン・ウィートリー代表は懸念を示さなかった。
「とても良いことだと思う。このスポーツには非常に明確なガバナンスがある。正直なところ、我々としては利益相反や懸念はまったく感じていない。ただポップコーンを食べながらショーを楽しんでいるところだ」
これに対し、ブリアトーレは冗談めかして「ポップコーンは温かいままにしておいてくれ」と締めくくった。

