フェラーリは、プレシーズンテストで使用した革新的なリヤウイングをF1第2戦中国GPのフリー走行で再登場させたが、この実験は短時間で終わることになった。
このウイングは”フリップ・フラップ”とも呼ばれており、フラップが180度回転する、見た目にもインパクトの強いウイングとなっている。日本では”くるりんぱ”と親しみを込めて呼ばれ始めている。
このウイングはプレシーズンテストで初めて使用され話題を集めたが、開幕戦オーストラリアGPでは使用されなかった。
第2戦中国GPでは、スプリント開催でフリー走行は一度しかないにも関わらず、フェラーリは両ドライバーがフリップ・フラップをテストしたが、その後のスプリント予選では通常のリヤウイングに戻してしまった。
フリー走行では、ルイス・ハミルトンがターン6のブレーキングゾーンでウイングを閉じたタイミングでスピンを喫し、「ブレーキがロックした」と報告していたものの、ウイングとの因果関係は不透明だ。
ハミルトンは、使用が中断された理由についてはよく分かっていないものの、投入は時期尚早だったと語った。
「なぜ戻したのかは正直よく分からない。ここに持ち込むのは少し急ぎすぎたんだと思う。本来は確か第4戦か第5戦あたりで投入する予定だったはずだ」
「だから、ここに急いで持ち込んでくれたのはチームが素晴らしい仕事をした結果だ」
「ただ、用意されていたのは2個だけで、少し時期尚早だったかもしれない。だから外すことにした。マシン自体は依然として良かったし、準備が整えば再び持ち込むために作業していくよ」
motorsport.comの調べでは、フェラーリは従来型のウイングと比較して性能面でフリップ・フラップに満足しており、信頼性にも手応えを感じていたという。ただし、レース全体を通して使用するには十分な保証がまだ得られていないと判断し、リスクを避ける決定を下した。
また、このウイングが劇的な性能向上をもたらす”ゲームチェンジャー”になるほどではないという点も、決断を後押しした要因だった。
フェラーリは今後、2週間後の日本GPに向けて、マラネロでさらなる分析を行なう予定だ。
スプリント予選では、ハミルトンが4番手、シャルル・ルクレールが6番手。ハミルトンはポールポジションのジョージ・ラッセル(メルセデス)から0.641秒差、ルクレールはそこからさらに0.367秒遅れた。
ルクレールとハミルトンの差は、ルクレールがバックストレートで詳細不明のトラブルに見舞われたためだと思われる。チーム代表のフレデリック・バスールは、このトラブルについて「前のラップと同じデプロイメントではなかった」と説明しており、チームは詳しく調査する予定だ。
ハミルトンは「チームは本当に素晴らしい仕事をしてくれた」と称賛した。
「エンジニアたちも、FP1でスピンして難しいセッションだったにもかかわらずマシンを立て直してくれた」
「マシンの感触自体は全体的にとても良かった。ただ、ストレートで大きくタイムを失っていると思う。だから、やるべきことは山ほどある。マラネロではパワー向上のために全力で取り組まなければならない」
「昨年も意識していたことだけど、メルセデスは僕たちや他のチームより開発を早く始めていたと思う。そして今回も同じだ。彼らは素晴らしい仕事をしているし、僕たちもステップアップして、その差を縮めないといけない」
「マシン自体は本当に良いと思う。コーナーでは彼らと戦える。でもパワーが不足していると、どうしてもそういう結果になってしまう」
一方、ルクレールはこの革新的なリヤウイングについて「今の僕たちの状況を大きく変えるものではない」と強調した。
彼は決勝ではより競争力が高まると見ている一方で、メルセデスの優位性についてはハミルトンと同様の分析を示した。
「予選では、なぜかメルセデスのパワーユニットが大きくラップタイムを稼いでいる。僕たちはまだ予選でそこまでのタイムを見つけられていない」
「でもレースではもっと接近している。だから明日は巻き返せると、まだ期待しているよ」

