最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
脳トレ四択クイズ | Merkystyle
ベルナベウの夜、シティは0-3完敗。ペップ体制の分岐点として記憶されるかもしれない【現地発】

ベルナベウの夜、シティは0-3完敗。ペップ体制の分岐点として記憶されるかもしれない【現地発】


 3月11日に行なわれたチャンピオンズリーグ・ラウンド16第1戦のレアル・マドリー対マンチェスター・シティ戦。サンティアゴ・ベルナベウでの90分は、シティにとって単なる敗戦以上の意味を持つかもしれない。

 アウェーでマドリーに0-3。この結果は、シティの今季だけでなく、ペップ・グアルディオラ体制そのものの未来を左右する可能性を秘めている。

 試合後、英メディアは一斉に、グアルディオラ監督の攻撃的な布陣を「敗因のひとつ」として指摘した。だが、この試合を振り返ると見えてくるのは、「試合の分岐点」と「クラブの分岐点」という二つの物語だ。

 キックオフ直後のシティは、決して悪くなかった。左サイドではジェレミー・ドクが鋭いドリブルを見せ、中央部でもアントワーヌ・セメニョやベルナルド・シウバがミドルを放つ場面もあった。個人技を起点に押し込む時間帯もあり、ベルナベウの雰囲気を静めるだけの勢いはあったように思う。

 しかし、その流れを断ち切られたのが最初の失点だった。GKティボー・クルトワのロングボール。そのボールはニコ・オライリーの頭上を越え、裏へ抜けた。走り込んだフェデリコ・バルベルデが名手ジャンルイジ・ドンナルンマを破り、マドリーが先制した。

 この場面にはシティの戦術的選択が影響していた。今季のオライリーはインサイドMFとして急成長を遂げているが、この試合ではこれまでの定位置である左サイドバックで起用された。攻撃参加に優れる彼の特長は魅力だが、ハイラインの背後を突かれるリスクも抱える。結果的に、その裏を突かれる形で先制された。
 
 試合はここからマドリーに大きく傾いた。立ち上がりの勢いを失ったシティは、次第にリズムを崩していった。慎重な入り方をしても良かったのではないか。そんな疑問が浮かぶのも、この瞬間が試合の最初の分岐点だったからだ。

 その後の試合は、バルベルデの夜となった。2点目は低い弾道のミドルシュート。そして3点目は、この試合を象徴するスーパーゴールだった。

 ブラヒム・ディアスの浮き球を受けたバルベルデが、巧みなコントロールからボレー。スコットランド人解説者アリー・マッコイストが思わず「Oh my goodness! Genius!!(あぁ、なんてことだ! 天才だ!!)」と声を上げたほどの一撃だった。スタンドで観戦していたジュード・ベリンガムも思わず口もとを押さえ、信じられないという表情を浮かべていた。

 今季のベストゴール候補に挙げられても不思議ではない、最高峰のゴールだ。ただ、シティの守備に目を向ければ、完璧に崩されたというより、どこか締まりのない対応が目についたのも事実。CBのマーク・ゲイの寄せが甘く、決定的な仕事を許した。今季のシティには、こうした一瞬の緩さがある。それは弱点であり、今のチームの特徴でもある。
 
 試合後、英メディアはグアルディオラ監督の戦術に注目した。攻撃的な人材を並べたスタメン。たしかに、ウイングを活かしながら主導権を握ろうとする意図は明確だった。最終ラインの位置も極めて高かった。

 だが、それは結果的にマドリーのカウンターを誘発する形にもなった。英BBC放送は「マンCの積極的なアプローチが扉を開けた。レアルは喜んでその扉を突き破った」と伝えた。

 ベルナベウのような舞台では、まずボールを保持して試合をコントロールすべきだったのではないか。それがこれまでのグアルディオラ監督の基本だったはずだ。それだけに、この試合でのアプローチは意外でもあった。

 もちろん、すべてを戦術だけで説明することはできない。守備のミス、個人技、試合の流れ。多くの要素が重なって0-3という結果が生まれたのは間違いない。だが先制点の場面を含め、「前掛かりのアプローチ」と「守備陣の脆さ」がリスクを高めたことは否定できない。

 この敗戦は、もう一つの意味でも重い。グアルディオラ監督に関して、今季限りで退任する可能性が盛んに報じられている。もしそれが現実となれば、今回のCLがシティでの最後の欧州挑戦になる。
 
 サッカー分析サイト「オプタ」によると、シティの突破確率は試合前の「64.3%」から「9.4%」へ急落したという。試合後、グアルディオラ監督自身も「逆転の可能性はあまりないかもしれない。でも、もちろん挑戦する」と話した。この対戦は単なるラウンド16ではなく、ペップ体制の最終章を左右する舞台になる可能性があるのだ。

 もちろん、まだ終わっていない。2023年5月、シティにはマドリーを4-0で粉砕した歴史がある。ホームのエティハドで再び奇跡が起きないとは限らない。もし逆転が実現すれば、ベルナベウの夜は「敗戦」ではなく、物語の序章として語り継がれるはずだ。

 だが、もしここで敗退すれば――。それはシティにとっても、そしてペップ・グアルディオラにとっても、ひとつの時代の終わりを意味するのかもしれない。フットボールには、後から振り返って初めて意味が分かる瞬間がある。ベルナベウでのこの試合は、マンチェスター・シティとペップ体制の分岐点として記憶される夜になるのかもしれない。

取材・文●田嶋コウスケ

【画像】日向坂や乃木坂の人気メンバー、ゆうちゃみ、加護亜依ら豪華タレント陣が来場、Jリーグのスタジアムに華を添えるゲストを特集

【画像】Jリーガーが好きな女性タレントは?長澤まさみ、ガッキー、広瀬すずらを抑えての1位は…

【記事】「大谷翔平って何であんなに凄いの?」中村俊輔の素朴な疑問。指導者としてスーパースター育成にも思考を巡らせる
配信元: SOCCER DIGEST Web

あなたにおすすめ