春は新生活や環境の変化で心が揺れ動きやすい季節。慣れない人間関係の中で、つい周囲に気を遣いすぎて疲れを感じている人も多いのではないだろうか。今回は、自分をすり減らさないための「心と体の整え方」について、ヨガ指導者のSUZUさんに話を伺った。
周囲に気を遣いすぎてしまう「防衛本能」の正体
新生活や環境の変化は、心にとって「安心できる居場所がまだ定まっていない状態」だとSUZUさんは言う。
「人は本能的に集団の中で安全を確保しようとするため、『嫌われないように』『迷惑をかけないように』と無意識に自分を抑えてしまいます。特に責任感が強い人ほど、『ちゃんとしなきゃ』という思考が強まり、常に周囲の表情や空気を読み続けてしまうんです」
その結果、交感神経が優位になり、心も体も緊張状態が続きやすくなる。SUZUさんは「気を遣いすぎる背景には、あなたの優しさだけでなく、『安心したい』『否定されたくない』という切実な防衛本能が隠れています」と指摘する。
思考よりも先に「呼吸と姿勢」からアプローチする
では、どうすればその緊張をほぐせるのか。SUZUさんがすすめるのは、思考ではなく、まず体へのアプローチだ。
「『嫌われたくない』という思考は、無理に変えようとするとかえって反発が起きて苦しくなります。でも、呼吸や姿勢は、心よりも先にアプローチできる”入口”になります」
浅く速い呼吸は不安を強め、胸が縮こまる姿勢は心が「守り」に入っているサインだという。
反対に、ゆっくりと深い呼吸をして背骨を立て、胸をひらくことで副交感神経が働き、心に安心感が生まれやすくなる。
「体が『大丈夫』と感じれば、脳も過剰に警戒しなくなります。嫌われないように頑張る関わり方から、自分の軸を保ったまま接するスタンスへと自然に変化していくんです」

