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「お触りNG」「この時代はOK」ゲーム『ゴースト・オブ・ヨウテイ』で寄生虫病が話題に

「お触りNG」「この時代はOK」ゲーム『ゴースト・オブ・ヨウテイ』で寄生虫病が話題に


「『Ghost of Yotei』 ローンチトレーラー」より

【画像】あああモフモフしてぇ! けど絶対NGなくだんの「キタキツネ」です(4枚)

ゲームのなかでキタキツネとふれあい…アリ? ナシ?

 2025年10月2日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントよりPlayStation 5用ソフト『Ghost of Yotei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)が発売され、同日のSNS上などでは大いに話題となっていました。これに関連し、トレンドに上がっていたのが「エキノコックス」というワードです。

 ことの発端は、ゲームのなかでキツネにふれる描写があるという話題でした。ゲームの舞台は蝦夷地、すなわち北海道で、そして現在、実際に北海道に生息するキタキツネにさわることは、寄生虫の1種「エキノコックス」に感染するリスクをはらむ行為であり、これは北海道民であれば一般常識ともいえるものです。初期症状が現れるまで、成人で10年程度の潜伏期間があるというのも特徴的で、発症すれば死に至ることもあります。

 北海道の山間部で数年、暮らしていたという本州出身の男性によると、引っ越して日の浅いうちに、エキノコックスには注意するよう周囲から言われたといいます。男性いわく「キツネはもちろん、犬も気をつけろと……川や井戸の生水も危ないと聞きました」とか。

 北海道外ではあまりピンとこないかもしれませんが、それくらい、北海道民にとっては身近なリスクといえるでしょう。確かに、ゲームのなかとはいえキツネにふれるのは、道民にとってはギョッとしてしまう描写かもしれません。

 ところが北海道におけるエキノコックス感染症は、1936年に初めて人の症例が確認された、実はわりと新しめの病気です。加えてエキノコックスそのものが、千島列島から道内へ導入されたキツネに感染していたのが大元と見られており、つまり人為的に北海道へ持ち込まれた寄生虫と考えられています。ゲームの舞台は1603年で、その時代の北海道のキツネにふれても、エキノコックスに感染することはなさそうです。

 SNS上での話題の流れを追ってみると、「ゲームなんだし、モフモフしたい欲求を叶えてくれるのはアリ」「ゲームの時代にエキノコックスはまだ北海道にない」「ゲーム制作陣の歴史認識が正しいという話かも」「知識がなきゃ、キツネはさわれるものと理解してしまう」「ダニとかも危ない、しゃれにならん」「そもそも野生生物全般、触っちゃならんことくらい常識だろ」といったように、さまざまな見地から実に活発な投稿がなされている様子がうかがえました。

 ともあれ、北海道民以外にもエキノコックスのリスクが広く認知されることは、歓迎すべきことかもしれませんね。

参考:八木欣平「IASR 北海道のエキノコックス症流行の歴史と行政の対策(IASR Vol. 40 p43-45: 2019年3月号)」(国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト)

『Ghost of Yotei』:
(C)2025 Sony Interactive Entertainment LLC.Developed by Sucker Punch Productions.Ghost of Yotei is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.

※「Yotei」の「o」は、正しくは長音記号つき

配信元: マグミクス

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