F1は2026年のバーレーンGPとサウジアラビアGPの開催を中止することを決めた。F1のグランプリが開催中止となるのは初めてではないが、コロナ禍を除けば実に稀なことであると言える。
イランに対してアメリカとイスラエルが軍事攻撃を仕掛けたことが引き金となり、中東の情勢は悪化の一途を辿っている。イランは周辺国にあるアメリカ軍事施設を中心に報復攻撃を仕掛け、さらに海上輸送の要所とも言えるホルムズ海峡は封鎖されている。ミサイルやドローンによる攻撃が続いているため、空路も封じられており、バーレーンの国際空港を発着する航空機は全便が欠航。同国に入国するのも難しい情勢である。
そのためバーレーンGPの開催は中止となり、その直後に予定されているサウジアラビアGPも併せて中止が決定された。
バーレーンGPは、実は過去にも中止になったことがある。それは2011年のことだ。
この年は”アラブの春”と呼ばれる反政府デモが巻き起こり、バーレーン国内も混乱。同年の開幕戦を務める予定だったが、開催まで1ヵ月を切った段階で延期が決定された。当初は10月に延期して開催することが目指されていたが、騒乱はなかなか治らず、6月の段階で中止が決定。翌年もまだ騒乱が完全に鎮まったわけではなかったが、F1は強行開催された。
なおサウジアラビアGPに関しては、一度開催が危ぶまれる出来事があった。それは2022年のこと。サウジアラビアGP開催中に、サーキットから約16kmの所にあるアラムコの石油精製施設がミサイルによるテロ攻撃を受け、武装組織から犯行声明も出された。
これを受けてグランプリ続行の可否を問う緊急集会が行なわれた。ここではサウジアラビア政府が、サーキットおよびジェッダの街におけるミサイルとドローンの迎撃システムについて説明。その後も関係者による話し合いが続けられたが、最終的にはグランプリを続行することが決まった。またドライバーたちにはボイコットするという選択肢もあったが、これを選ばなかった。
2023年のエミリア・ロマーニャGPは、周辺地域の洪水被害により、開催中止に至ったことはあまりにも有名。当時アルファタウリのドライバーだった角田裕毅は、自らモップを持ち、洪水の被害にあった街の清掃作業を買って出た。
なおコロナ禍には、日本GPを含む多くのフライアウェイ戦が中止となり、この期間中にはロシアがウクライナに侵攻したことを受け、ロシアGPが中止されることにもなった。
また、開催が延期されたグランプリはふたつある。
1995年のパシフィックGP(TI英田サーキット)は当初4月開催が予定されていたものの、同年1月に阪神・淡路大震災が起きたことを受けて10月に延期。鈴鹿での日本GPと2週連続での開催となった。
また1985年のベルギーGPは、6月に開催されたもののF1マシンが走ることで舗装したての路面が剥がれてしまうというトラブルが発生し、予選を終えた段階で延期が決定。9月に改めて開催されることになった。
悪天候により、セッションが延期され、2日開催となったグランプリもいくつかある。
日本GPは台風接近により、2004年と2019年の開催は、予選と決勝を日曜日に開催するという変則開催となった。また2010年も予選が豪雨に見舞われたことで、日曜朝に順延されている。
2015年のアメリカGPも、雨により予選が日曜朝の開催に変更。2021年のベルギーGPは決勝が豪雨となり、セーフティカーランのみでレースが終了することになった。

