F1の2026年導入の新レギュレーションは、これまで賛否両論となってきた。ただジョージ・ラッセル(メルセデス)は、コアなファンでも新ルールを思ったより楽しんでくれているはずと主張する。
シャシーとパワーユニット(PU)の両方に変更が加えられたF1の新レギュレーションでは、より電動パワーが重視されるスタイルとなった。その結果、エネルギーマネジメントの重要度も増している。
エネルギーを効率的に回生するためにドライバーたちは、ストレートでシフトダウンしたり、コーナー進入前のリフト&コーストを昨年よりも手前から行なったりする必要に迫られている。このことが、2026年シーズンの開幕2戦で見られている動きの激しい(“ヨーヨー”のような)レース展開を生み出している。
開幕戦ではラッセルとシャルル・ルクレール(フェラーリ)が序盤から激しい首位争いを繰り広げた。そしてラッセルは中国GPスプリントでも、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)と同様のバトルを展開した。
ドライバーからは批判的な声も多いが、ラッセルはこの新しいスタイルを楽しんでいる。
彼は今後もヨーヨーのようなバトルが続くと思うか? と尋ねられると、次のように返答。F1のコアなファンも、徐々に新しいバトルを楽しめるようになっているはずだと語った。
「正直なところ、現時点ではまだ分からない。まだ多くのことを学ばなければならない段階だからね」と、ラッセルは言う。
「メルボルンでも、今回のスプリントでも、もう少し違うやり方をしていれば、序盤でもっと長くリードを保てたかもしれないと思っている」
「でもオーバーテイクモードがあると、後ろのドライバーはブーストボタンを確か330km/hまで使える。一方で前のドライバーは290km/hまでしか使えない。これはかなりうまく機能しているように見える」
「DRSではないけど、速度差を生むという意味では似たような仕組みだ。だからかなり面白いし、楽しいと思う。熱心なファンでも、1週間前ほどは嫌っていない人がいるんじゃないかな。でも、まだ様子を見ていくことが必要だろう」
新しいマシンのドライビングは、これまでとは完全に異なるものになると予想されていた。オフシーズンにはエステバン・オコン(ハース)が、「カート以来に学んできたことはすべて忘れていい」と語っていたほどだ。
しかし現時点でラッセルは、オコンの見方とは逆の印象を持っているという。今のところ圧倒的な勝者が現れていないためだ。
「先週のルイスは、少しペースをコントロールして、僕とシャルルを争わせていたように感じた。そしてチャンスを待っていた」
ラッセルはそう語る。
「そして今日(中国GPのスプリント)は、僕とルイスが争っていて、シャルルがチャンスを狙っていた。いろいろなことが起きているけど、それがかなり楽しいんだ。むしろ昔のカートレースのように感じる。トップ3、トップ4のドライバーが全員優勝争いに絡めるんだ」
「3台か4台のマシンが同じポジションを本当にコース上で争えるなんて、F1でこんな状況はあまり記憶にないよ」
なおラッセルは中国GPの予選ではマシントラブルの影響もあり、最後のアタックは完璧とは言えない内容だった。その結果、ポールポジションはチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリが獲得。それでもラッセルは2番グリッドにつけており、開幕戦に続く連勝を目指すことになった。

