「M-1の決勝舞台に立った人しか、俺は認めない」
酒が入ればそんなことを言うようなタイプが、ちょんまげラーメン・きむだと、吉本興業の先輩・東野幸治は証言する。
千鳥の大悟には、きむに絡まれた経験がある。飲み会で仕事の話を持ちかけてきたので、大悟はアドバイスをしていた。すると、きむが言った。
「大悟さんってホンマにああやって、お笑い色の強いお仕事をいっぱいされて、そういうのもありつつ、なんかヤギと歩いてる。ああいう楽なのもやってるじゃないですか」
大悟は内心、カチンときた。
「コイツ、あれ楽やと思ってんのか」
そして「あれがいちばんしんどいって」と、のちに苦笑い混じりに振り返っている。
飲み会の席での、きむをめぐるキナ臭い話はほかにもある。きむはAマッソのむらきゃみに、こう言い放った。
「THE Wだけ出とけや」
イジり合いの流れの中でのひと言だったが、むらきゃみには刺さった。きむによると、
「どんどん傷ついていって、バーンと怒った」
やがて「ケンカしようや」という空気になり、むらきゃみがきむに殴りかかったという。きむは手を出せなかった。
「女性で、しかも僕より20センチぐらい小さいんで」
なだめているうちに、周囲から声が上がった。
「皆さん、見て。きむさんから血が出てる」
「僕(パンチを)もらってたんです」
きむは苦笑しながら語っている。
この一件を聞いたケンドーコバヤシは、きむを諫める。
「確かに『おもんない』って、ホンマは言うたらアカンからね、芸人にはね。アイドルに『ブス』って言うようなもんやから」
さらに後日、きむがある番組で、むらきゃみとのケンカエピソードを明かした際、「俺、酔ってなかった」とウソをついた。
それを聞いたむらきゃみは、オードリー・若林正恭にこう打ち明けている。
「え、それはちょっと違うぞ、と」
実はきむは、パンクブーブー・佐藤哲夫の悪口を吹聴したことで、ラジオ番組に乗り込まれたことがあるが、その際、ウソの話をしたことがある。ウソをついて有利な状況に立とうとするのは、彼の常套手段かもしれない。
安心して笑えるエンタメのケンカを見たいものだ。
(坂下ブーラン)
1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティーの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作などなど。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。

