アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、F1中国GPをリタイアする前、「手足の感覚が全くなくなってしまった」と明かした。
開幕前から、ホンダ製パワーユニット(PU)を中心とした異常振動に悩まされているアストンマーティン。振動によりバッテリーが次々と損傷しており、ドライバーが身体的なダメージを負う可能性も懸念されている。
ホンダもアストンマーティンと連携し問題解決にあたっているものの、現状劇的な効果はなく、中国GPではランス・ストロールが10周目にバッテリーの不具合が疑われるトラブルに見舞われ、アロンソが振動による不快感を理由にレースを切り上げている。
アロンソの中国GPのオンボード映像を見ると、ストレート区間で両手をステアリングホイールから離し、両手を振って感覚を取り戻そうとしているシーンが何度も映っていた。
「今日はエンジンの振動がいつもと違っていた。というか、むしろ酷かったため、リタイアした。20周目あたりから、手足の感覚が全くなくなってしまったんだ」とアロンソはDAZNに語った。
「手足の感覚がなくなってきた状態でレースを最後まで続けるのは、あまり意味がなかった」
その後、書面によるメディアの取材に応じたアロンソは、「いずれにしてもレースを完走することはできなかっただろう」と明言した。それがマシントラブルの可能性を指しているのか、それとも肉体的な問題からなのかは言及しなかった。
「今日の振動は、週末のどのセッションよりもひどかった」と彼は嘆いた。
「僕たちは1周遅れで、最下位だった。このまま走り続けても意味がないだろうと思った」
ホンダのトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、「振動については改善の傾向が見られるものの、ドライバーの快適性という観点では依然として課題が残っている」とコメントしている。
しかしアロンソは「エンジンはオーストラリアと全く同じだった」と語り、エンジンの出力を下げたことによって振動が減ったと明かした。だが同時にホンダにはこの問題を解決するためにもっと時間を与える必要があると主張した。
「僕たちが行なった対策の中には、人工的に実現したものもあった」と彼は語った。
「例えばエンジンの回転数を下げたりして、振動を減らすようなことだね。でもレースでは当然、オーバーテイクするときやエネルギーを回収しなければならないときなど、エンジン回転数を高く使う必要がある。その時間が長くなればなるほど、それはより難しくなるし、より負担が大きくなる」
少なくともアロンソは、キャリアを通じて得意としてきたスタートダッシュで輝きを見せた。18番グリッドから一気に10番手までジャンプアップしたのだ。スタート前のドタバタで、アロンソの前方にいるはずだった3台がリタイアしたとはいえ、さすがアロンソといったところだ。もっとも、ペースは悪く5周後には15番手まで戻っていたが。
「そうだね、スタートは楽しいよ」とアロンソは語った。
「オーストラリアと同じで、このマシンはスタートがとても良いみたいだ。1周目は確かに、全員のバッテリー残量が同じで満タンだからね」
「その後は”バッテリー世界選手権”に入ることになる。そしてその点では、僕たちは他のチームほど良くないんだ」

