試し履きレビュー
着脱の容易さと快適さ
まず驚いたのは、履く段階でのスムーズさだ。シェルはストレスなく大きく開き、つま先を入れると吸い込まれるように、ライナー素材の影響か、ツルっと足全体が収まった。硬いシェルを無理に広げ、足をねじ込む必要はない。
豊富なカスタマイズオプションを備えるというが、カスタムが不要だと感じるほど、履いた瞬間の完成度が高い。カフの独特の形状は、まるで耳当て付きの帽子のよう。
ラスト幅は、これまで使用してきたブーツと同じ98mm。全方向から包み込まれるようななフィット感がある。かかとのホールドは、熱成型した自前のブーツと同等か、それ以上にしっかりしている。窮屈さはなく、つま先には余計な遊びはないが、指は自然に動かせる余裕が残されている。
フレックスについて
フレックスは、オールバックル仕様の115Wと比べて、ややしっかりとした返りを感じる。ただし、ニー・モーションが非常にスムーズで、膝が前後だけでなく全方向に動かしやすい。直立時や歩行時に動きを制限するような硬さはなく、「踏みたいときに、きちんと頼れる硬度」という印象だ。
パワーリンクの実力

このブーツの最大の特徴が、内側ヒンジを廃した「パワーリンク構造」。カフの面積が37%増し、他者の上級者向けBOAブーツよりも、パワー伝達率が25%もアップしているという。
カフとロアシェルを直接結合し、さらにその結合点を従来の足首付近ではなく、ヒール寄りまで下げている。これにより、テコの原理がより効果的に働き、少ない入力でも大きな力をスキーへ伝えられる。結果として、力を逃がすことなく、インエッジへダイレクトにアプローチできる。
「2級の人が1級に受かるブーツ」という話も聞いたが、実際にターンしてみるとその意味がわかる。カフが雪面に食い込むように、普段よりも強く、深く踏み込める。自分がかけた力以上の重さが、足元に集約されているように感じた。これまでどれだけの力が途中で逃げていたのかを、初めて実感した。ターン導入の際にも、点ではなくより広い面でとらえている感覚があり、足の動きがそのままスキーに伝わる精度の高さも印象的だった。
気になる点
足首まわりは、テーピングを巻いたかのようなホールド感がある。一方で、カフの長さについては、内側に添え木をされているような、わずかな違和感があった。ただし、気になる点はその程度で、全体の完成度を大きく損なうものではない。
Information
SALOMON(サロモン)
公式サイト:https://salomon.jp
SNS:Instagram|Facebook|You tube
取扱い/アメアスポーツジャパン㈱サロモンウィンター事業部
