2026年のスーパーGTは、開幕前にGT500クラスの空力開発が解禁。基本的にはここから4シーズンは開発が凍結されるため、非常に重要なオフシーズンとなっているが、日産陣営のZはポジティブな進歩を遂げている予感だ。
日産は2024年にZ NISMOベースの車両になってからの2年間で3勝を挙げたが、コンディション変化に対してシビアな車両であることから、シーズンを通して安定した成績を残すことができなかった。NMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)でGT500車両開発を統括する木賀新一氏は昨年、この弱点を克服すべく、高い安定感でシリーズを席巻するトヨタGRスープラをベンチマークとして開発を進めていくと明かしていた。
その開発は、功を奏している様子。NISMOの千代勝正は次のように語る。
「去年までは得意なコースとそうでないコースが分かれていて、スイートスポットの狭いクルマだったと思います」
「今年はパフォーマンスのレンジを広くして、どんなサーキットでも、どんなポジションでも戦えるようにダウンフォースを強化しました。そういう意味では狙った方向に来ています」
スープラがベンチマークになるという開発陣の発言通り、今季のZはフリックボックスと呼ばれるフロントバンパー両端部のカナードの枚数が4枚構造になるなど、スープラとの共通点も確かに見受けられる。これについて千代はこう語る。
「スープラはこの3年間すごく強かったですし、完成度が高いと思います」
「Class1のシャシーが導入されて年数が経った中で、(空力の方向性が)近付いてくるのは仕方ないと思います。その中でZの良さを活かしながら、その上を越えられるように狙っています」
「空力は数年に1回しか変更できないので、今回はすごく大事なオフシーズンです。ニスモの開発陣は集大成としてこのクルマを用意してくれていると思いますし、3月中にスペックを決めないといけない中で、だんだん絞れてきています」
2回の公式テストでは、やはり3連覇中の36号車au TOM'S GR Supraをはじめとするスープラ勢の速さが目立っている。ただZもそれに肉薄する速さを見せており、au TOM'Sを除くライバルは横一線ではないかという声もある。
岡山公式テストでは総合5番手、富士公式テストでは総合7番手というタイムだったNISMOの23号車MOTUL Niterra Z。今季はNISMOの1台が減り、日産陣営は3台体制でライバルに立ち向かうことになるが、千代は開幕に向けて次のように意気込んだ。
「3台で色々なテストをして、すごく良い進歩を遂げていると思います。(日産陣営の)台数が少なくなったことでファンの皆さんも寂しい思いをしていると思うので、その分良い結果を出したいです」

