AIが「美の基準」を変えてしまう?
研究にはいくつかの制限もあります。
参加者の多くが男性であることや、調査対象が性研究データベースに登録された人々だったことなどから、結果が一般社会を完全に代表しているとは限りません。
また、この研究は主観的な評価のみを測定しており、心拍数や血流などの生理的な性的興奮は測定していませんでした。
将来の研究では、こうした身体反応も含めて比較する必要があると研究者たちは述べています。
それでも今回の結果は、重要な問いを投げかけています。
もしAIが人間より魅力的な身体を作り出せるとしたら、人間の「美しさ」の基準はどう変わっていくのでしょうか。
人類の歴史では、技術が芸術や娯楽を変えてきました。
しかし、AIは単に新しい表現を生み出すだけではありません。
人間が「魅力的だ」と感じる対象そのものを作り替えてしまう可能性があるのです。
今後AIの生成能力がさらに進歩すれば、現実と人工の境界はますます曖昧になっていくでしょう。
そして将来、人間が最も魅力的だと感じる「理想の身体」は、現実の人間ではなく、アルゴリズムによって設計された存在になるのかもしれません。
参考文献
AI generates nude images that outrank real photographs in sexual appeal, study finds
https://www.psypost.org/ai-generates-nude-images-that-outrank-real-photographs-in-sexual-appeal-study-finds/
元論文
Subjective Responses of Gynephilic Men and Women to Real versus Artificial Female Nudes
https://doi.org/10.1007/s10508-025-03357-2
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部

