
Kis-My-Ft2の玉森裕太が、3月17日に36歳の誕生日を迎えた。グループ公式YouTubeチャンネルの誕生日パーティー企画でも他のメンバーから「全然36歳に見えない」と驚かれるほど、デビューから一貫して変わらない“少年感”と透明感あふれる美肌、物腰の柔らかさ、仕事と真摯(しんし)に向き合う姿勢で本業のアイドル活動に加え、俳優としても引っ張りだこの玉森。3月12日にはディズニー&ピクサー映画初参加となった「マイ・エレメント」もTBS系で地上波初放送され、SNSで「玉ちゃんうまい!」「いい声だな」と話題になったばかり。メンバーの宮田俊哉は、現在劇場公開中の映画「私がビーバーになる時」で声優を務めることが決定した際、“先輩ピクサー声優”の玉森に家族よりも先に報告したという。そこで今回は特に俳優としての玉森の活動にフォーカスを当てて、魅力に迫る。
■ドラマ初出演はキスマイのCDデビュー前
玉森のドラマ初出演は、Kis-My-Ft2としてCDデビューを果たす前の2009年。「ごくせん」(日本テレビ系)第3シリーズの卒業スペシャルで、赤銅学院高校2年D組のリーダー格として出演し、続く劇場版にも出演した。
それから韓国の人気ドラマを日本版にリメークした「美男(イケメン)ですね」(2011年、TBS系)で初主演を務めると、2013年には玉森演じるフレンチシェフ・ケンが戦国時代にタイムスリップし、織田信長(及川光博)の専属料理人になる姿を描いた金曜ナイトドラマ「信長のシェフ」(テレビ朝日系)で連続ドラマ単独初主演を果たす。こちらも人気を博し、2014年には「いざ、参らん!」とばかりに木曜のゴールデンタイムに進出した。
その後、同じく料理人役で出演した「グランメゾン東京」(2019年、TBS系)では、木村拓哉演じる天才フレンチシェフ・尾花夏樹の下で修業し、二つ星レストランのスーシェフまで上り詰めた平古祥平を快演。祥平を主人公としたスピンオフ作品も作られた。この作品では「第103回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」で助演男優賞を受賞。吹き替えがほぼない調理シーンなど、演技の面でも脚光を浴び、2024年12月に放送・公開された続編のスペシャルドラマ「グランメゾン東京」、映画「グランメゾン・パリ」にも出演した。
他にも“ボス恋”の愛称で人気を博した「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」(2021年、TBS系)では、“子犬系男子”を好演し、2022年は「NICE FLIGHT!」(テレビ朝日系)でパイロット、「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」(日本テレビ系)で研修医役を務め、2期連続ドラマ主演と大活躍。2024年には「あのクズを殴ってやりたいんだ」(TBS系)で、ある出来事をきっかけにプロボクサーを辞め、昼はカメラマンとして働き、夜はバーテンダーのアルバイトをしている“人たらし”の葛谷海里を好演した。
■大好きなディズニー&ピクサー作品初参加
さまざまなジャンルの作品で爪痕を残してきた玉森が、持ち前のビジュアルではなく、声の演技で見せたのが、2023年公開のアニメーション映画「マイ・エレメント」(ディズニープラスで配信中)だ。実写の洋画吹き替えは「キング・オブ・エジプト」(2016年)で経験があったものの、洋画アニメーションの吹き替えはこれが初めて。
同映画は2023年に日本で劇場公開し、公開後から大きな話題を呼んだ長編アニメーション作品。観客動員200万人超というヒットを記録し、週末興行収入が前週を上回る“逆転ヒット”現象も巻き起こした。
火、水、土、風といったエレメントたちが暮らす世界を描いたファンタジーで、鮮やかかつカラフルなタッチで描かれたキャラクターや彼らが暮らすエレメントシティは、ピクサー作品ならではの美しいビジュアルをダイレクトに感じられるものに。玉森が日本版声優を務めた涙もろく心優しい青年・ウェイドは、“正反対な”火のエレメント・エンバー(CV:川口春奈)と奇跡的に出会い、共に時間を過ごしていく中で少しずつ心を通わせていく。
だが、お互いを消してしまう特性を持つ“火”と“水”の2人は、どれだけ仲を深めても触れ合うことすらできない。正反対の2人の心が触れ合うとき、そこにはピクサー史上最も“ロマンティックな奇跡”が起こる――。
もともとピクサー映画のファンだった玉森は、同作への出演が決まった当時「まさかこうやって一緒にお仕事ができる日が来るんだ!という驚きもありましたし、うれしかったです」と大喜びしていた。
ウェイドは、エンバーに新たな世界を見せ、彼女の中にある可能性を教えてくれる重要なキャラクター。エンバーの心を包み込むような優しい声のトーンに加え、背中を押してくれる力強さを感じさせる演技がキーとなる役どころだが、玉森はUS本社のオーディションを経て、確かな演技力に加え、真っすぐな人柄、内側からにじみ出るような優しい声音がキャラクターに非常にマッチしているということで、日本版声優の座を見事に射止めた。
そんな玉森の魅力は、少年感あふれるビジュアルもさることながら、実に“あったかい声”。言語化が難しいニュアンスの部分だが、温かいではなくて、あったかい。どんなに大変な局面でも、彼の声を聞くとホッとするような安心感がある。ウェイドは水の青年だが、きっと冷水じゃなくて常温の水なんだろうなと感じさせる。
また、玉森は一度ステージに上がればローラースケートを履いて大観衆を前にパフォーマンスするようなキラキラアイドルでありながら、決して近寄りがたいオーラで圧倒するタイプというよりは、常に人に対して物腰柔らか。検索して調べれば分かるようなエピソードはお腹いっぱいと思うので、記者だからこその実体験を一つ。
■誰に対しても“あったかい”玉森裕太
2012~2014年に放送されていた「キス濱ラーニング」(テレビ朝日)のロケ取材での出来事。同番組は企画によって早朝&遠方ロケをすることもあったが、自分はもっと早朝に現場入りしているはずなので大変だろうに「朝早くから大変ですね。お疲れ様です」と真っ先に気遣ってくれるのが玉森だった。
グループを離れ、単独で出演した「信長のシェフ」での京都・太秦ロケのときも、「わざわざ遠くまでありがとうございます」と、相手への感謝を忘れない。いずれも本人は脊髄反射的にしていることだろうから、覚えていないであろう一瞬のやりとりだが、冬の寒い夜に食べる豚汁よりもあったまる言葉だった。
そういうところが、「シャイロックの子供たち」(2023年)で共演した阿部サダヲや上戸彩、「信長のシェフ」「グランメゾン東京」で共演した及川光博ら先輩俳優からも親しみを持って「玉ちゃん」と呼ばれる愛され力の賜物。往年のブレーク芸人の言葉を借りると、あったかいんだからぁ。
それはさておき、2023年の公開時期に行われた「マイ・エレメント」のイベントでは、日本版エンドソングがSuperflyの歌う「やさしい気持ちで(マイ・エレメントver.)」ということにちなんで、最近「やさしい気持ち」になった出来事について質問が。
これに、玉森は「最近キスマイの現場にケータリングの方が来てくださって。その人は前も来てくださったんですけど、僕らの中ですごくおいしくて『もう一回来てほしい!』と思っていたケータリングの方。その方が作るご飯が本当に愛情を感じるんですよ。ただ温かいご飯というだけじゃなくて、真心みたいなものが食べていて伝わるし、作っている姿もおいしいんです!(笑) なので僕はそのご飯を食べているときに“やさしい気持ち”になりました」と、おいしくて愛情も感じたというケータリングのエピソードを明かしていた。
一期一会のケータリングスタッフにもリスペクトを持てるあったかい心が、CDデビューから史上最速で東京ドームのステージに立った、“この時代のチャンピオン”たるゆえん。それでいて、仲のいいKing & Prince・永瀬廉いわく、「玉さん(玉森)は服が被ると怒る」という、ちょっと子どもっぽい部分も。36歳の大人に使う言葉ではないのかもしれないが、実にかわいいというか、人間味にあふれている。
大観衆の前でキレキレのパフォーマンスを見せたり、カルティエやドルチェ&ガッバーナなどハイブランドを身にまとってバッチリ写真に収まる姿もすてきだが、決して完璧な超人ではない、かわいらしい部分をしっかり残しているところが、幅広い層に愛されるところ。
そして、そういうあったかくて、愛にあふれる彼だからこそ、心優しい青年・ウェイド役はピッタリで、「マイ・エレメント泣いた」「めっちゃいいお話だった」などと話題になったのだろう。
◆文=月島勝利

