イメージや感覚では「理解できない、実践できない」ことがゴルフには多々ある。
それらをクリアにした1冊が『ゴルフスイング物理学』だ。「効率よくうまくなれる!」と評判の理論を毎月少しずつ紹介する。
スイングについて考えてほしいこと 「ヘッドスピードを上げて」スイングをつくる

正しい軌道やフェース向きは、「速く振る」動きのなかで身につけるのが上達の近道
ゴルフスイングをつくっていく際に、形を意識すると動きをなぞるような感覚となり、「速く振る」という要素を失ってしまいます。スイングプレーンというものをなぞる意識でも同じことになりますね。
「速く振る」ことができていない状態では、遠心力などの物理的な力が十分に生じません。ですから、スイングの中で自分の体にどのような力がかかってくるのか、それに対してどのように動きをつくればいいのか、ということがわからないままになってしまうのです。
「ゆっくり振る」状態でイメージしているプレーンやフェースの向きにコントロールする感覚を身につけたとしても、ゴルフでは「速く振る」場面が必ずあります。そうした状況では、「ゆっくり」で身につけた動きが役に立たない可能性もあるのです。
「速く振る」動作を身につけ、そこから生まれる外力を有効に使いつつ、その中で正しいコントロールを行うための腕や体の使い方を習得していくことが大切だと考えています。
その感覚を身につけることで、重心位置の違うクラブをそれぞれの機能を引き出して使うことができるようにもなるでしょう。
「速く振る」ことは、それほどむずかしいことではありません。野球やテニスなど、ほかのスイング運動も含めてすでに多くの研究によって、体のもつ機能を十分に引き出す方法論がいろいろと開発されているからです。それも活用しながら、ゴルフ独自に必要な要素を身につけていけばいいと思います。
クラブと腕の動かし方に合わせた体幹と下半身の使い方 トップとフォローの「顔の向き」 について 基本の考え方

顔を捻ると、顔が向いたほうの腕は内旋、回内しやすくなり、顔が向いていないほうの腕は外旋、回外しやすい状態となる。
人間の体は、顔の向きや首の傾きによって発揮しやすい力の方向が変わるという、「頸反射」という反射をもっています。顔が向いているほうの腕を伸ばしやすく、反対の腕は曲げやすい。向いているほうの腕は内旋、回内しやすく、反対は外旋、回外しやすいなどです。
「ボールをよく見る」というセオリーを守ってスイングすると、トップでは顔を左に向ける状態になり、右腕を外旋、回外しやすくします。また、インパクトからフォローでは顔を右に向ける状態になり、これは右腕を伸ばしやすく、内旋、回内しやすい状態をつくります。
こういった反射の影響も考慮し、先ほどの「軸の上に頭を置く」ということも考えると、トップでは左いうことも考えると、トップでは左に首を傾けながら左を見る、インパクトからフォローでは右に首を傾けながら右を見るという状態が基本的な使い方となります。
トップ

トップで顔をボールに向けると、体幹の左側を見ている状態となり、左腕は内旋と回内しやすく、右腕は外旋と回外しやすくなる。つまり、トップまでに引き出したい動きと一致するので、この反射とぶつかり合うことがない。
インパクトからフォロー

インパクトからフォロー、フィニッシュでもボールに顔を向けておけば、体幹の右側を見ている状態となり、右腕が伸びて、内旋、回内しやすく、左腕は曲がって外旋、回外しやすくなる。
