「2月の衆院選で高市自民党は316議席獲得という歴史的大勝を収め、高市早苗首相は自身が掲げる『責任ある積極財政』をこれから本格的に推し進めようとした矢先、米国とイスラエルによるイラン攻撃ですからね。世界情勢が風雲急を告げる中、日本国内の問題だけではなくなった。昨年10月に女性初の首相に就任してから高市氏の激ヤセ、健康状態が心配されましたが、“高市一強”の盤石政権になっても気の休まる暇はない。永田町では健康不安説が再度、ぶり返しています」(全国紙政治担当記者)
2月28日、米国とイスラエルは核計画を巡り協議中だったイランへの先制攻撃に打って出た。同日の攻撃により、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は殺害された。
米国・イスラエルの攻撃は「国際法違反」と批判を浴びる中、“米トランプ”べったりの高市氏は法的な論評を避けている。3月訪米予定(19日首脳会談)でトランプ大統領への忖度はミエミエだが、今回のイラン攻撃は日本国内へも大きな影響を及ぼしている。
まずは株価の乱高下だ。東京市場では2月末から1週間で、過去5番目の下げ幅となる5000円以上急落した。ところが、3月5日は一転、2000円の急騰と、日本経済はイラン情勢に翻弄されているのだ。
「イランは世界有数の産油国であるばかりか、世界経済に大きな影響を及ぼすホルムズ海峡を事実上、武力封鎖したことが大きな要因です」(経営アナリスト)
中東地域は世界で原油輸出量が約4割に達する一大産油地。特に、日本は原油の90%以上をこの地域に依存している。しかも、中東原油の輸入量の約74%(2023年)は、ホルムズ海峡経由というから大打撃なのは火を見るより明らかだ。
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海峡封鎖が1年続けばガソリンは1リットル328円
「イラン革命防衛隊は3月2日に国営メディアを通じ『(ホルムズ海峡を)通過する船は火ダルマにする』と明言したため、東京市場の株価が暴落したわけです。一方でトランプ氏がホルムズ海峡通過のタンカーを米軍が護衛すると述べ、さらに停戦協議の噂も出ると株価はアップした。とにかく、日本経済は右往左往するばかりです」(同)
原油(石油)供給で真っ先に思い浮かぶのは、1970年代にパニックに陥ったオイルショックだ。高市氏は2日の衆院予算員会で石油需給を問われ「今後、国民生活や経済生活への影響を最小限に抑えるため、必要な対応を機動的に講じていく」と強調。石油備蓄については「254日分ある」と答弁した。
とはいえ、イラン情勢はどう転ぶか不透明。「戦争は長期化する」との見方がメディアや専門家の間で有力視されている。
野村総研エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏はコラムで、今後、中東で1~2カ月戦争が続けば、ガソリン価格は現在の158円前後からリットル200円突破は確実としている。さらに、ホルムズ海峡封鎖が1年続けば、1リットル328円前後まで高騰するシミュレーションを示した。
「200円突破でも日本経済はガタガタだ。300円突破なら農民一揆級の騒ぎになりかねない」(経済担当記者)
ガソリンが1リットル200円超なら、高市政権と野党4党で成立させたガソリンの暫定税率廃止法などまったく無意味なものとなる。
「原油高騰なら連動してLNG(液化天然ガス)も値上がり必至。つまり、電気、水道、ガス、農林水産関連、物流などがすべて爆上がり。高市政権が模索する物価高対策の食料品消費税0%は焼け石に水でしょう。政府は16日から備蓄した石油を放出。ガソリン価格を170円に抑制するため、19日から元売り各社に補助金を支給すると発表したが、それで本当に価格が落ち着くのか、物価上昇を抑えられるのかは甚だ疑問だ」(政治ライター)
戦費補てんと見なせばイランが敵対
また、今回のイラン攻撃で米国は莫大な戦費を費やすことになる。
地中海に展開するジェラルド・R・フォード空母打撃群とアラビア海のエイブラハム・リンカーン空母打撃群、この運用維持費だけで1日20億円の経費が掛かる。イラン攻撃初日には誘導ミサイル駆逐艦から200発のトマホークが発射された。費用は1発3億円で約600億円。射程500キロの長射程精密攻撃ミサイル『PrSM(プリズム)』も実戦で初めて投入している。
「1日で約800億円から1000億円の戦費。戦闘開始から10日間で約8000億円です」(軍事関係者)
当然、長期戦になればなるほど、戦費は膨らむ一方。
「対イラン開戦を米国民の約6割が支持していない。11月に控える米連邦議会の中間選挙で勝利を収めたいトランプ氏にすれば、イラン攻撃反対の米世論をひっくり返すには早期戦争終結と戦費低コストをアピールするしかない。そこで注目されているのが、トランプ関税関連で日本から巻き上げた約85兆円投資の使い道。イラン戦争流用説、戦費穴埋め説が出てきました」(政界関係者)
’91年の湾岸戦争の折、時の海部政権は米国を主体とした多国籍軍に約1兆7000億円を拠出したが、「血も汗も流さない」と主に海外で批判が巻き起こった。
5日、高市氏はドイツのメルツ首相と電話協議し、イランが周辺国のエネルギー施設など民間施設を攻撃していることを非難した。
「トランプ寄りと取られかねない発言は危険極まりない。加えて、米国に戦費関連資金が流れるような事態があれば、日本国民はもとより、親日のイランも猛反発するだろう」(同)
いずれにせよ、高市氏を待ち受けるのは、アリではなく“トランプ地獄”だ。
『週刊実話』3月26日号より一部内容を変更
