MotoGP開幕戦タイGPではアプリリアのマルコ・ベッツェッキが圧勝した。チームを率いるマッシモ・リボラCEOは、ライバルのドゥカティが力を出しきれなかったというよりも、自分たちが「特別な何か」を見つけ出したことによる結果だと語った。
タイGPではベッツェッキが新レコードタイムを樹立する速さでポールポジションを獲得。スプリントレースこそ転倒で結果を残せなかったが、決勝レースでは圧倒的な速さで、一度も先頭を譲ることなく5秒の大差をつけて勝利して見せた。
さらにアプリリアはサテライトチームのラウル・フェルナンデス(トラックハウス)が3位表彰台、ホルヘ・マルティン(アプリリア)が4位、小椋藍(トラックハウス)が5位と、トップ5に陣営の全員が食い込む好調さだった。
その一方でドゥカティは、ここ5年間で最も厳しい週末となった。2021年イギリスGP以来初めて、トップ3フィニッシュ無しという結果に終わったのだ。
ドゥカティ陣営はファクトリーチームのマルク・マルケスが3位争いの中でフェルナンデスを追っていたが、タイヤトラブルでリタイア。それ以外のドゥカティ勢は、アプリリアの4人や、KTMのペドロ・アコスタ(2位)を脅かす存在とはなれなかった。
アプリリア・レーシングCEOのマッシモ・リボラは、この結果はドゥカティが後退したのではなく、アプリリアがすべてをうまくまとめた結果だと説明している。
「パフォーマンスを見る限り、ペドロ(アコスタ)も特別な走りをしたと思う。そして今回のステップアップは、ドゥカティではなく、アプリリア側に要因がある」
リボラCEOはそう語る。
「ホンダもかなり接近してきたと思う。我々はタイヤデグラデーション(性能劣化)の面で少し優れていたかもしれない」
「だがラップタイムを見ると、初日からトップにいたのはベッツェッキだけだった。ドゥカティが苦しんでいたとは思わない。このサーキットでアプリリアが何か特別なことをやって見せただけだ」
そしてリボラCEOは今後のレースで本当の勢力図が見えてくると強調した。
「今後のレースを見ていこう。もしこれがバイク全体の完成度によるものなら、もちろん我々にとっては素晴らしいニュースだ。しかしマルクとは戦っていたし、アコスタも速かった」
「小椋が多くのライダーを簡単にオーバーテイクしていく様子は本当に印象的だった。ただ、その時点ではタイヤのデグラデーションも影響していた」
「そしてマルクはタイムをコントロールして走っていたんだ」
長年にわたりドゥカティ・デスモセディチGPは、グリッド上で最も万能なバイクだと評価されてきた。一方アプリリアは、これまでRS-GPの弱点とされてきた部分を徐々に改善し、今では優勝争いが可能なマシンへと進化させている。
リボラCEOは開発においてエアロダイナミクスを積極的に進めていると改めて語った。
「我々は空力開発をかなり積極的に進めている。同時に、常に少しの工夫が重要だと考えている。細かな要素の積み重ねが大きな違いを生むんだ」
「見てもらえれば分かるが、バイクの形状は昨年とはかなり違う。新しいエアロパッケージをライダーに馴染ませるのはとても難しいが、新しいものを導入するたびに、すべて機能している。つまり我々の開発モデルが上手くいっているということだ」
「我々の仕事の進め方はどんどん良くなっている。何度も繰り返しているが、我々は毎年より優れたファクトリーとなっているんだ。そして、より良いファクトリーがあれば、より良いパフォーマンスを発揮することができるんだ」

