甲子園球場での今季最終戦(対ヤクルト)で、阪神・佐藤輝明が「40本塁打・100打点」をクリアした。元同僚の青柳晃洋から5回裏に2ラン。1回裏にも犠牲フライで打点を挙げており、最終的に40本塁打、102打点でシーズンを終え、本塁打と打点の2冠を手中に収めた。
しかし、である。魔訶不思議な現象が起きていることをご存知だろうか。例年、本塁打王のタイトル獲得者を悩ませる死球が、佐藤は「ゼロ」なのだ。
この件に言及したのは、野球解説者の高木豊氏だった。自身のYouTubeチャンネル「高木豊 Takagi Yutaka」の10月2日の動画で言うには、
「(バッテリーが)近めが危ないと思ってるんじゃないの。(本塁打の)ツボをたくさん、高さによって持っているという。だからどうしても落とすか、外に逃げるか。デッドボールが少ないというのは、インサイドの捌きが良くなったということだよね。だから近めを攻めにくい、ということがあるんじゃないの。だからどうしても膝元にいったり、外に落としにいったりだとか、そういうボールが増えてるから、デッドボールも自ずとない」
今季、佐藤のコース別(ゾーン別)の成績を見てみよう。最も本塁打数が多いのは、真ん中下の9本で、ド真ん中8本、右中7本と続く。左打者の佐藤にとってインコースとなる左上は3本、左中が2本、左下2本。まんべんなく打っているとはいえ、インコースの本数はそれほど多くない。
また打率でも、ど真ん中が5割2分8厘で、右中、真ん中下ともに3割9分6厘、右上3割9分4厘と、いずれもインコースからは遠ざかるのだ。
今季、覚醒した佐藤のオーラが、インコース勝負を避けさせたか。クライマックスシリーズと日本シリーズで、さらなる爆発が見られるか。
(所ひで/ユーチューブライター)

