WBCの準々決勝でベネズエラに逆転負けを喫した侍ジャパン。勢いに乗ったベネズエラは決勝でアメリカを破り、初優勝を果たした。日本のファンが「あの時、勝っていれば」と悔しさを滲ませる中、これまで絶対的ヒーローだった大谷翔平の「アンチ」が急速に勢いづいている。
大谷への指摘が相次いでいるのが、ベネズエラ戦での振る舞いだ。劣勢の8回表にベンチでカメラに向かっておどけるようなポーズをとったことや、9回裏に最後の打者として凡退した直後、グラウンドでの整列とファンへの挨拶に参加せず、そのままベンチ裏へ姿を消したことが「負けているのにヘラヘラするな」「いくら悔しくても整列をブッチするな」と非難されているのである。
さらに3月10日のチェコ戦で、客席の少年にボールを手渡した「神対応」すらも、「自席を離れて駆け寄ってきたマナー違反の客を優遇した」と、アンチにとって格好の批判材料となっている。
こうした大谷バッシングに対し、スポーツジャーナリストは「あまりに理不尽な言いがかり」だとして、次のように語るのだった。
「大谷の行動を冷静に見れば、根本的に悪質なものはひとつもありません。まず試合後の『整列ブッチ』ですが、最後のバッターとしてアウトになり、悔しさのあまりロッカールームへ直行するのは、メジャーでもよくある光景。敗戦直後のベンチはパニック状態で、誰かが大谷を呼びに戻る余裕がなかったというのが実態でしょう。意図的に整列を無視したわけではないでしょう。8回のおふざけポーズにしても、重苦しい空気を変えようとする、彼なりの配慮です。勝っている時は『天真爛漫』と絶賛されるのに、負けた途端に『不真面目』と叩かれるのは、理不尽極まる話です」
ボール騒動についても、グラウンドにいる選手が観客の座席移動まで把握して配慮するのは不可能に近い。スポーツジャーナリストが続ける。
「要するに、日本人の莫大な期待と敗戦のフラストレーションをぶつける『巨大なサンドバッグ』として、大谷が選ばれてしまったということ。一挙手一投足が監視され、ちょっとした行動が致命的な欠点として拡大解釈される。背負っているものが大きすぎる『スーパースターの宿命』ですよ」
日本国民にとって、それほどまでに悔しい敗戦なのであった。
(川瀬大輔)

